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平成29年第2回定例会−06月01日-12号

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  1. 杉並区議会 2017-06-01
    平成29年第2回定例会−06月01日-12号


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    平成29年第2回定例会−06月01日-12号平成29年第2回定例会   平成29年第2回定例会             杉並区議会会議録(第12号) 平成29年6月1日 午前10時開議 出席議員46名 欠席議員1名 1 番  (欠員)            25番  安  斉  あ き ら 2 番  川  野  たかあき      26番  北     明  範 3 番  木  村  よ う こ      27番  川 原 口  宏  之 4 番  田  中 ゆうたろう      28番  大  槻  城  一 5 番  堀  部  や す し      29番  今  井  ひ ろ し 6 番  松  尾  ゆ  り      30番  浅  井  く に お 7 番  奥  田  雅  子      31番  脇  坂  た つ や 8 番  市  来  と も 子      32番  吉  田  あ  い 9 番  小  林  ゆ  み      33番  金  子 けんたろう 10番  藤  本  な お や      34番  富  田  た  く 11番  上  野  エ リ カ      35番  くすやま  美  紀 12番  山  本  あ け み      36番  け し ば  誠  一
    13番  木  梨  もりよし      37番  新  城  せ つ こ 14番  山  本  ひ ろ こ      38番  佐 々 木     浩 15番  中  村  康  弘      39番  河  津  利 恵 子 16番  大  泉  やすまさ      40番  太  田  哲  二 17番  井  原  太  一      41番  渡  辺  富 士 雄 18番  大 和 田     伸      42番  島  田  敏  光 19番  山  田  耕  平      43番  横  山  え  み 20番  上  保  まさたけ      44番  大  熊  昌  巳 21番  そ  ね  文  子      45番  は な し  俊  郎 22番  岩  田  い く ま      46番  井  口  か づ 子 23番  松  浦  芳  子      47番  富  本     卓 24番  増  田  裕  一      48番  小  泉  や す お(欠席) 出席説明員       区長             田 中   良       副区長            宇賀神 雅 彦       副区長            吉 田 順 之       政策経営部長         白 垣   学       施設再編・整備担当部長    大 塚 敏 之       総務部長           関 谷   隆       情報・法務担当部長      牧 島 精 一       危機管理室長         寺 嶋   実       区民生活部長         森   雅 之       地域活性化担当部長オリンピックパラリンピック連携推進担当部長                      安 藤 利 貞       産業振興センター所長     内 藤 友 行       保健福祉部長         有 坂 幹 朗       在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長                      習 田 由美子       高齢者担当部長        田 中   哲       子ども家庭担当部長      鈴 木 雄 一       杉並保健所長         向 山 晴 子       都市整備部長         渡 辺 幸 一       まちづくり担当部長      松 平 健 輔       土木担当部長         吉 野   稔       環境部長           北 風   進       会計管理室長(会計管理者)   南 雲 芳 幸       政策経営部企画課長      伊 藤 宗 敏       総務部総務課長        原 田 洋 一       教育長            井 出 隆 安       教育委員会事務局次長     徳 嵩 淳 一       教育企画担当部長       白 石 高 士       学校整備担当部長       大 竹 直 樹       生涯学習担当部長中央図書館長 齋 木 雅 之       選挙管理委員会委員長     與 川 幸 男       代表監査委員         上 原 和 義       監査委員事務局長       和久井 義 久         平成29年第2回杉並区議会定例会議事日程第3号                                平成29年6月1日                                  午前10時開議 第1 一般質問 ○副議長(北明範議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第1、一般質問に入ります。  36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) いのち・平和クラブのけしば誠一です。会派の一員として、区政一般について、3点質問いたします。第1は憲法について、第2は児童相談所について、第3点が外環道と外環地上部街路、いわゆる外環の2についてです。  まず第1に、憲法についてです。  安倍首相は、憲法記念日に当たる5月3日の読売新聞朝刊1面のインタビューで、2020年、オリンピックまでに憲法を改正し、施行を目指す意向を表明しました。一方で、憲法学者から平成の治安維持法と批判され、世論調査で反対の声がはるかに上回る共謀罪の採決を衆院で強行し、憲法で明記されてきた表現の自由を奪おうとしています。安倍首相の言動が、国務大臣、国会議員、公務員などが「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と規定する99条に違反することは言うまでもありません。  安倍首相が打ち出した改憲の方向は、9条1項、2項を残しつつ、3項に自衛隊を明文で書き込むというものです。衆院予算委員会で発言の真意を問われた首相は、大いに国会両院の憲法審査会において各党間でぜひ議論していただきたいと述べ、改憲の具体的内容については答えずに、自民党総裁としての考え方は詳しく読売新聞に書いてありますから、ぜひそれを熟読してと放言する不誠実な姿勢でした。委員長から、一部、新聞の件等々はこの場では不適切なので、今後は気をつけていただきたいとたしなめられるありさまでした。  安倍首相は、読売新聞記事と同日、日本最大の極右団体、日本会議の改憲集会へのビデオメッセージでも、同様の主張をしています。従来の持論や自民党改憲草案では、9条2項の戦力の不保持を削除した上で、自衛隊を国防軍と明記することでした。突如、1項、2項を残し、3項追加に方針転換した背景が問題です。  実は、昨年の参院選で3分の2議席を獲得した直後、日本会議常任理事で政策委員の伊藤哲夫氏が日本会議の政策研究誌「明日への選択」9月号で提案したのが、「『3分の2』獲得後の改憲戦略」と題する9条3項加憲方針でした。一国の首相が、極右団体に従い、国会が愚弄されている嘆かわしい現実です。「明日への選択」11月号では、自衛隊の明記は、戦力の不保持と交戦権否認を定めた2項を空文化させるためとあけすけに語っています。実際、3項が加えられ、自衛隊が明文化されれば、その活動に歯どめがきかなくなり、専守防衛を転換し、海外での武力行使や先制攻撃が可能になるのは目に見えています。安倍首相は、憲法とは何かが全く無理解なのでしょうか。  戦後民主主義の学校と言われた自治体と自治体の議会こそが、住民福祉の前提である平和と住民の権利を守らなければなりません。そこで、区長に改めて、戦後憲法が生み出された背景と憲法の意義について、お考えをお聞きします。  衆議院憲法審査会では、参政権や国と地方の課題をめぐり数回開かれたばかりであり、改憲項目の議論はなされていません。自民党の中にも、憲法とは何かを認識している方が少なからず存在し、今回の安倍首相の提案にくぎを刺しています。2020年までに憲法を改正し、施行できる状況にはありません。安倍首相によって憲法がないがしろにされたまま、自分の権力を振りかざし、改正ありきで進み始めたことに党派を超えて批判が強まっています。  憲法にはさまざまな課題があり、第1条をめぐる問題点から議論が必要です。しかし、憲法を変えるには、しっかりと議論を尽くし、国民の合意形成が図られなければなりません。この点について区長の見解を求めます。  第2に、児童相談所についてです。  5月24日、1歳の次男を床に落とすなどして、兵庫県警は、殺人未遂で夫婦を逮捕。次男は頭を強く打ち、意識不明の重体。母親は、泣きやまなかったので腹が立ったと供述しているとのことでした。  4月26日、9歳の次女に暴行しけがを負わせたなどとして、群馬県警は、傷害の疑いで義父と、暴行の疑いで妻を逮捕。母親は、子供のことで腹が立ち、足蹴りにしたと供述しています。  4月6日、大阪府警は、5歳の長男の全身をフライパンで殴ったり、両頬をのこぎりで切りつけたりして負傷させたとして、実母と義父を逮捕したと発表。  3月13日、大阪府警は、生後9カ月の次女を暴行して死なせたとして、母親を殺人の疑いで逮捕しています。育児ストレスが爆発してしまった、次女を肩の高さまで持ち上げて数回床に落としたと供述しているとのことです。  児童虐待による死亡など、悲惨な事件が後を絶ちません。事件にならないケースが無数に存在しているのが実態です。全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数は、2015年度、10万3,286件と過去最多となり、児童虐待に対する関心の高まりや相談窓口を設置したことにより、その件数は年々増加しています。全国の相談対応件数に比して、区内の状況やその推移はどのようになっているのか、確認します。  困難な事例が増加する現状で、児童と家庭に対する基礎自治体の役割と対策が喫緊の課題となっています。虐待から児童を守り、その家庭を支えていくためには、どのような具体的な支援が必要と考えるか、区の見解を求めます。  このような状況に、2000年、児童虐待の防止等に関する法律が成立し、2004年以降たびたび、児童虐待防止法、児童福祉法が改定されてきました。昨年6月に児童福祉法が一部改定され、特別区においても、児童虐待発生時に迅速的確に対応するために、児童相談所が設置できることとなりました。この児童福祉法等改正の主な内容をお示しください。  既に23区中22区が児童相談所の設置の方針を示しているとのことです。国の説明によれば、児童相談所の体制は、人口4万人に1人以上の児童福祉司の配置、児童福祉司5人につき1人のスーパーバイザー、児童福祉司2人につき1人以上の児童心理司を配置、さらに医師または保健師の配置が義務づけられ、人材確保が大きな課題となります。そのための財政措置は、国に対してしっかりと保障させなければなりません。  杉並区が児童相談所を設置することになれば、児童福祉司14人に加え、児童心理司など10人以上が必要となり、職員数全体にも影響が及ぶことになるが、区はどのように考えているのか。また、児童相談所の運営に当たっては、児童福祉司などの人材育成が急務となるが、今後どのような研修など人材育成策を実施する方向なのか、見解を求めます。  既に児童相談所に職員の派遣も行われているとのことですが、その人数と実績もお聞きします。  昨年の法改定を受け、ことし3月22日付で厚生労働省から、児童相談所設置に向けた検討及び都道府県との協議についてなる依頼文書が出ています。ここで児童相談所が設置できることになっても、都は今のところ移管とは認めていません。その後、児童相談所のあり方や財源などは、都と23区との間で協議が行われてきました。今後、協議がスムーズに進むことを望むところですが、これまで移管について区長会から国に対してどのような要望を出しているのか、確認します。  児童相談所を設置することになれば、一時保護施設も必要となります。一時保護施設の中には、自由が著しく制限されているなど課題があり、子供の権利擁護の観点から、23区のかかわりによって改善されることを期待します。  現在、全国で5万人の子供たちが入所する児童養護施設自立支援施設などは、さまざまな事情から、親がいながら養護している実態が多くなっています。これまで入所期間が18歳までとなっていたことで、退所後も貧困に陥る厳しい現状から、法改定により、自立が厳しい場合は22歳まで入所を延長できることになりました。  他区では、児童養護施設の退所者に、区営住宅に入居優先枠を設けるなど、住宅支援の制度や進学のための支援制度などを開始しています。世田谷区では、18歳で児童養護施設を退所する若者への月1万円の家賃でアパートを保障する制度があり、また足立区でも、区営住宅に2万円で最大5年間入居できる制度が設けられています。区にもこのような制度が必要だと考えます。  今後の対策が状況に即したものであるためには、児童養護施設の実態を把握し、施設側との連携が必要です。区内に5カ所ある児童養護施設と区のかかわりについて確認し、この項を終わります。  最後に、外環道と外環地上部街路、いわゆる外環の2についてです。  その第1は、外環本線シールドトンネル工事の現状についてです。  2月3日から7日間にわたり、外環本線の南半分エリアを対象に工事説明会が開催され、2月19日、シールドマシンの発進式が実施されました。その後、東名ジャンクション立て坑からはシールドは発進したのでしょうか。現状についてお聞きします。  大泉ジャンクションから発進する工事に関しては、練馬・杉並・武蔵野エリアの説明会はいまだ開催されていません。大泉からのスタートがおくれている理由は何でしょうか。  大泉のシールド出発地点の地耐力、すなわち、シールドの重さを支える土が持つ強さが不足しているため、地質を再調査するとのことでしたが、その結果はどうであったのか、お聞きします。  大泉からの発進の目途はいつごろつくのか、発進前の説明会はいつ開催する予定か、確認します。  大泉ジャンクションからシールドが発進している現在、国土交通省が世界で最も難度の高い工事と認めている地中拡幅部の工事は決定したのでしょうか、お聞きします。  2つのトンネル接合部の止水領域部の詳細構造は決まったのでしょうか。また、工事手順はどうなるのか。12社から技術開発提案があったシールドマシンの標準化はどのように決まったのか。青梅街道のインターチェンジでの工法はどのように決まったのか。区がつかんでいる情報をお示しください。  緊急時避難用に本線と本線をつなぐ横連絡坑工事は、中央環状品川線で事故を起こしたほどの難工事です。その位置及び杉並区内の設置箇所、その構造や工法は決定したのか、お聞きします。  東名ジャンクション及び中央ジャンクションの地下水に関する保全工法はどのようなものか。青梅街道ジャンクションランプ部にも、地下水対策として地下水流動保全工法が採用されると聞いてきましたが、その詳細は決定したのか、確認します。
     3月に沿線住民向け外環オープンハウスが開催され、住民との質疑応答の場が設けられました。国土交通省は、事前に住民から提出されていた質問項目にはほとんど回答できず、その回答する場を改めて継続することを約束しました。その後、外環事務所との日程調整に回答がないままです。住民からすれば、外環道工事が始まりながら、住民からの不安や疑問に答える場がなく、不安に駆られています。区から国に対応を求めてほしいが、どうか、見解を求めます。  次に、博多のトンネル工事崩落事件と安全対策についてです。  2月の説明会では、博多のトンネル事故に驚愕した沿線住民から、安全対策について、どの会場でも質問が集中しました。博多では、道路の下のトンネル工事中の作業員と、道路上を走っていた車の事故は奇跡的に回避されました。事前に現場で異常が感知されていながら、市に報告されていなかったことが判明しています。  外環本線のシールドトンネル工事は、住宅街の下を24時間掘り進むため、その上で暮らす住民に不安が広がっています。工事中、何らかの異変が察知された段階での住民の避難計画が検討されていないことがわかりました。国は説明会で、シールドの発進後、10カ月の試掘期間において避難計画を用意すると答えています。  その後、参議院決算委員会の質問に対し、国から、3月より沿線自治体、警察、消防との打ち合わせを開始したと答弁がありました。その後、国から区に対し、緊急時の住民の安全確保に関して何らかの問い合わせがあったのか、確認します。住民の不安に応えるよう、区から国に住民の避難計画策定を求めてほしいが、区の見解を求めます。  最後に、外環地上部街路、いわゆる外環の2についてです  外環の2の建設が練馬から始まっています。事業認可された区間と現在の進捗状況をお聞きします。  杉並では、かつて外環本線の高架計画が沿線住民に大幅な立ち退きを迫ったため、住環境を脅かすことから、党派を超えた反対運動が起き、外環計画が凍結された経過は、周知のとおりです。本線が大深度地下計画に変わって事業化されたことで、高架の下に計画された外環の2も、当然地下に潜ったと沿線住民は理解しています。東京都の外環の2話し合いの会は、その必要性の有無から検討したところです。都が突然休止を通告し、その後どうするか、沿線住民には何の説明もありません。東京都が休止した理由は何か、都は今後どのようにする考えなのか、区の見解を求めます。  武蔵野市では、話し合いの会での議論が進み、現在、中間まとめを準備しているとのことです。区がつかんでいる状況と今後の動きをお聞きします。  武蔵野市、三鷹市、世田谷区、狛江市など杉並以南は、外環の2に関しては、大幅な立ち退きに反対する住民の反対意見が強く、区としてもそれぞれ慎重な対応をしてきたところです。ここに東京都は練馬から外環の2、地上部街路を延ばそうと考えていること自体に無理があります。東京都は今後どのようにしようと考えているのか、区の認識をお聞きします。  東京都が話し合いの会を休止して外環の2の事業を進める場合に、区の意見が求められることになるでしょう。その時期をどの段階でと区は考えているのか、最後にお聞きし、質問を終わります。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、けしば誠一議員の憲法に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、憲法の意義についてでございますが、憲法は、国の形を示す最高位の法規範であり、公権力を持つ国や地方公共団体などの公的機関と国民との関係を規律するものでございます。憲法が存在することによりまして、公的機関による国民に対する不当な干渉や権力の濫用を防ぎ、個人の尊厳のもと、広く国民の権利を保障しているものと認識をいたしております。  以前にも申し上げましたが、私なりの憲法観についても一言申し述べさせていただきます。  私は、憲法について語るには、憲法が制定された時代状況、これを十分に考える必要があると思っております。新たな憲法が制定される契機となったさきの大戦では、世界規模で莫大な被害や犠牲がありました。親を失った子供、子供を失った親、友人、兄弟を失った人々、仕事、財産を失った人々、国土は焦土と化し、我が国に限っても310万人というとうとい命が失われました。  このような社会状況の中、憲法が押しつけられたか否かはさておき、当時、国民は敗戦によって初めてさまざまな事実を知らされ、その中で国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、この3大理念を標榜する今の憲法に対して、新たな国の再建・再興を誓い、希望を抱き、多くの国民が賛同したということも事実ではなかったのかと思っております。喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうというようなことがないように、私たちは今後もそういった歴史を継承しておかなければなりません。  玉座をもって胸壁となし、詔勅を弾丸にかえて敵を倒さんとするものか。これは、第一次護憲運動の際、尾崎行雄が時の総理大臣、桂太郎に対して行った弾劾演説の有名な一節であります。天皇陛下の政治利用を痛烈に批判した言葉であります。  雄弁家で鳴らした尾崎は、94歳の老躯を押して、憲法改正が上程をされた第90回帝国議会で、次のように語っております。  憲法について必要なのは、条文のよしあしより、その運用である。改正案に比すればはるかに劣っていたこれまでの憲法――これまでの憲法というのは明治憲法のことでありますが、これが、我が国が十分に実行し得ない結果が今日の未曽有の国辱となってあらわれた。あの憲法が正当に行われておるならば、今日のごとき大屈辱に遭遇せぬはずであった。今日制定せられんとする憲法は、かに比して非常にすぐれている。しかし、すぐれていればいるほど、知識、道徳の低い我が国人民には実行困難なことを覚悟しておかなければならない。よい憲法さえつくれば国がよくなるだろうという軽率な考えを持ってもしも賛成をするならば、それは大きな間違いである。憲法で国が救われるなら、世界中で滅びる国はない。よい憲法をつくることは容易だが、実行は非常に難しい。  また、ベルリンの壁が崩壊し、新たに東西ドイツが統一を果たしたとき、西ドイツのワイツゼッカー大統領はこう言いました。過去に目をそらす者は未来に対しても盲目である。  さきの大戦の降伏文書の調印式は、昭和20年9月2日、横浜港に停泊をしていたミズーリ号という軍艦の甲板上で行われました。そこに全権として臨んだ重光葵は、その後、巣鴨プリズンで、次のように敗戦に至る経過を書き残しております。  「第一次世界大戦によって、日本は、アジアを代表して急に世界の五大国または三大国の一つに列することになり、西太平洋において厳然たる指導的地位につくこととなった。日本の世界平和に対する地位は大であり、人類文化に対する責任は極めて重かった。日本国家の将来の発展も、日本人自身の進歩も、明治以来の粒々辛苦の努力を忘れることなく、ただこの重大なる地位及び責任を十分に自覚し、常に自己反省を怠ることなく、」「努力を続けることによってのみ、なし遂げ得べきものであったのである。然るに、日本は国家も国民も成金風の吹くに任せて、気位のみ高くなって、内容実力はこれに伴わなかった。日本の地位は躍進したが、日本は、個人も国家も、謙虚なる態度と努力とによってのみ大成するものである、という極めて見易き道理を忘却してしまった。これは、余りにも、日本的でないのであるが、物質文明の滔々たる濁流に流されて、実際寸前の利益感情に捉われ、個人及び国家の永遠の安寧や理想を顧みる良識を欠くに至っていた。これは昭和の動乱の原因でもあり、また、動乱を通して見得る不幸なる現象であった。」  このときから70年。2020年東京オリンピックパラリンピックを迎えるときには、戦後生まれが後期高齢世代に至ります。豊かな物質文明と平和の中で、戦争の歴史はやがて風化していくことでしょう。将来世代にたとえ憲法が続いていようが、改憲がなされていようが、過去の反省と教訓が忘れられ、国民が、重光が言うところの慢心に陥ることがないようにとの思いを込めて、私たちの世代が議論を深めていくことが大切だと考えております。  残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁を申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(鈴木雄一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(鈴木雄一) 私からは、児童虐待に関する御質問にお答えいたします。  まず、区内の児童虐待相談対応件数についてのお尋ねですが、昨年度、子ども家庭支援センターで要保護児童の新規受け付けをした件数は374件、対応件数は801件となっているほか、杉並児童相談所での新規受け付けは365件となっております。平成24年度以降、相談対応件数は年々増加してきましたが、27年度については、児童相談所全国共通ダイヤル189の導入により、増加幅が大きくなりました。昨年度につきましては、ほぼ横ばいの数値で推移しております。  次に、児童虐待に対する具体的な支援についてのお尋ねですが、妊娠期から子育て期にわたり、児童虐待の未然防止のための切れ目のない支援のさらなる充実が必要と考えております。ゆりかご面接、すこやか赤ちゃん訪問や、医療機関を初め子供、家庭にかかわる機関と連携して、支援が必要な児童や保護者に寄り添い、継続的に支援します。  また、虐待の相談、通告には、要保護児童対策地域協議会における児童相談所等との役割分担のもと、ショートステイ事業や養育支援訪問事業等を活用して適切な支援を行います。さらに、一時保護や、施設から復帰する児童の家庭環境や自立のための支援を行うなど、児童虐待の未然防止から早期発見・早期対応、自立支援、重症化予防等を一体的に進めます。  次に、児童福祉法の主な改正内容についてのお尋ねですが、全ての児童が健全に育成されるよう法の理念が明確にされるとともに、児童虐待の発生予防から被虐待児童への自立支援までの一連の対策のさらなる強化等を図るため、子育て世代包括支援センターの全国展開、児童相談所の体制強化、里親、養子縁組の推進などの措置を講じることとなったものでございます。  また、特別区において児童相談所を設置する際には、法施行後5年を目途として、国により必要な支援が実施されることとなったものでございます。  次に、児童相談所の移管に関する区長会からの国に対しての要望についてお答えします。  昨年8月に、児童相談所の設置を希望する区の要望内容を集約したものとして、国に対し、施設整備や業務の運営に関する財政支援、児童相談所整備用地としての国有地使用に関すること、専門職員の任用資格要件や確保、育成に関することなど、7項目について国に対し要望を行ったところでございます。  私からは最後になりますが、区内の児童養護施設と区のかかわりについてお答えします。  児童養護施設とは、杉並区要保護児童対策地域協議会の中で、虐待のある児童、虐待の疑いのある要保護児童の適切な保護、支援のために連携協力しているところです。また、区内の児童養護施設では、連絡会を開催し、施設見学会や意見交換を行うとともに、それぞれの施設での行事等でも交流しているところです。  区では、施設の退所者に対し、児童養護施設の自立支援コーディネーターからの要請により、就労支援や保健・医療にかかわる必要なサービス等につなぐなどの取り組みを行っております。  今後は、東京都における退所者に対する既存の支援事業の活用を中心としながら、児童養護施設の状況把握や要望について確認を行い、他区の取り組み等も参考にして、必要に応じた支援を研究してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、児童相談所における人材確保と人材育成についての御質問にお答えいたします。  現在、区においては、児童心理司や児童福祉司に任用予定の心理職や福祉職の採用を計画的に行いながら、人材確保の取り組みを進めているところでございます。運営に必要な専門職を中心とした常勤職員は、児童福祉法の配置基準に照らしますと20名を超える予定となりますが、引き続き行財政改革推進計画の推進も図りながら、児童相談所としての運営に必要となる職員体制を確保してまいります。  次に、職員の人材育成でございますが、現在、区においては、児童相談所の運営に必要なノウハウや困難事例の対応力等を身につけるため、今年度から都の児童相談所に職員1名を派遣し、次年度以降もこの派遣研修を継続しながら実務の習得に努めてまいります。あわせまして、特別区職員研修所においては、児童福祉司の任用資格となる児童福祉法で義務づけられている法定研修や、担当職員の実践力強化に必要とされる研修の実施を検討してございまして、これらの研修の参加を通して、実務能力にたけた職員の育成に力を注いでまいります。  私からは以上です。 ○副議長(北明範議員) 都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 私からは、まず、外環道本線に関する一連の御質問についてお答えをいたします。  まず、東名ジャンクションからのシールドマシン発進状況に関するお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、ことし2月に、東名ジャンクションから北に向かうシールドマシンの発進式が行われたところでございます。  また、シールドマシンの現状といたしましては、東名ジャンクション事業地内で掘進を始めるとともに、本格稼働に向けた設備機器の投入、設置などを始めていると伺ってございます。  次に、大泉ジャンクションからのシールドマシン発進のおくれなどに関するお尋ねでございますが、立て坑予定地で新たな地質が確認されたことから、現在、さらなる地質調査を実施し、安全に発進するための構造の精査を進めていると伺ってございます。  なお、地質再調査結果についての情報は、現時点で区には届いてございません。  次に、大泉ジャンクションからのシールドマシンの発進時期に関するお尋ねでございますが、現在、大泉ジャンクションでは、本線シールドトンネル発進用立て坑工事などが進められておりますが、発進の時期や説明会については未定と伺ってございます。  次に、地中拡幅部の工法などに関するお尋ねでございますが、東名の地中拡幅部に関しましては、昨年9月に、東名地中拡幅及びランプシールド工事について、NEXCO東日本が地中拡幅部工法提案者と詳細設計つき工事契約を行い、現在、提案された工法に基づき、詳細な構造や工事手順の検討を行っているところと伺ってございます。  次に、技術開発提案につきましては、東京外環トンネル施工等検討委員会における留意事項に基づきまして、中央ジャンクション及び青梅街道インターチェンジ部の地中拡幅部の標準的な工法の考え方が取りまとめられたと伺ってございます。  なお、青梅街道インターチェンジの工法につきましては、今後、詳細な工法について検討を進めていくと伺ってございます。  次に、緊急時避難用の横連絡坑の位置及び杉並区内での設置予定箇所、構造などに関するお尋ねでございますが、現在のところ、横連絡坑の位置及び杉並区内の設置予定箇所及び構造の詳細については未定とのことですが、横連絡坑の設置間隔は360メートル程度で計画していると伺ってございます。  また、横連絡坑の工法につきましては、薬液注入工法及び凍結工法を用いると伺ってございます。  次に、地下水の保全工法及び地下水流動保全工法に関するお尋ねでございますが、外環事業では、浅層の地下水の流れを遮断する影響について、水循環の予測及び評価を適切に実施した結果、必要な箇所について、地下水流動保全工法を採用していると伺ってございます。  次に、住民の皆様の不安や疑問に答える場を設けるよう国に対応を求めることに関するお尋ねでございますが、国及びNEXCOは適宜、説明会やオープンハウス等の機会において、事業概要や工事の進捗状況などについて広く情報提供を行っているものと認識をしております。しかしながら、この間お答えしているとおり、今後も住民の皆様からの要望や質疑に対し、より一層丁寧かつ真摯に対応するよう、今後も国及びNEXCOに求めてまいります。  次に、工事中の避難計画に関するお尋ねでございますが、現在、国やNEXCO東日本などが、当区、杉並区を含め各自治体を回り、地域防災計画など情報収集を行っており、その後、各自治体と協議を行う予定と伺ってございます。  また、区から国に対し、住民の避難計画の策定を求めるということにつきましてのお尋ねでございますが、今後も事業者との調整を緊密に行いまして、住民の皆様の安全を確保するよう、必要に応じて求めてまいります。  続きまして、外環の2に関する一連の御質問についてお答えをいたします。  まず、外環の2における事業認可された区間及び現在の進捗に関するお尋ねでございますが、現在、大泉ジャンクション付近の延長約1キロメートルの区間におきまして、外環の2の事業認可がされ、用地取得を行っているところと伺ってございます。  次に、外環の2の話し合いの会を都が休止した理由に関するお尋ねでございますが、都によりますと、話し合いの会の設置から5年以上が経過し、この間、14回にわたり話し合いの会を開催して、さまざまな御意見を伺っておりますが、構成員の皆様のアンケート調査等の結果も踏まえまして、今後の進め方について改めて検討するため、一時話し合いの会を休止したものと伺ってございます。  次に、武蔵野市の話し合いの会に関するお尋ねでございますが、武蔵野市におきましては、これまで24回話し合いの会を開催しており、現在は中間取りまとめを行っていると東京都から伺ってございます。  次に、今後の杉並区以南の区市への都の対応に関するお尋ねでございますが、都では引き続き、「外環の地上部の街路について」で明らかにした検討の視点とプロセスに基づきまして、広く意見を聞きながら検討を進めると伺ってございます。  なお、区といたしましては、東京都が一方的に外環の2の当該区間、杉並区間につきまして事業を進めるということは想定をしてございません。  私からは以上です。 ○副議長(北明範議員) 36番けしば誠一議員。       〔36番(けしば誠一議員)登壇〕 ◆36番(けしば誠一議員) 何点か再質問させていただきます。  まず、児童相談所についてですが、区が児童相談所の設置も含めて今、力を注ぎ、さまざまな子供の安全対策、そして虐待に対する対策で力を尽くしていることは理解できました。  児童相談所についての心配は、何よりも、その必要性は認識した場合に、財政問題です。その点は都と区との間で今協議が進んでいると推察しますので、具体的にそれがスムーズに進むために、今回はその点についての質問はしませんでした。  国が法改正をしながら、財源については5年間で検討するというふうには言っておりますが、具体的にそれが示されていないことが非常に心配です。都と23区との間の協議に委ねられていることも非常に不安です。今、協議をスムーズに進めるために、あえてこの点の質問は避けましたが、23区が一体となって、区に対する財政負担が生じることがないように、国や都に対してしっかりとその点、さらに強い要望を出すように求めておきます。  再質問は、外環道に関して何点かです。  住民の皆さんが一番心配しているのは、博多など、あるいは中央環状品川線もそうですが、これまで大型道路の下に、特に大深度地下も含む地下工事、トンネル工事が進められてきました。ところが、外環道は、かつての高架計画に沿って、住民が24時間住む、しかも深夜休む、その自分の住んでいる下を通る、そこに工事が行われるということの心配であり、危険性であります。それは、博多におけるトンネル事故の崩落事故として目の前に突き出されました。  今、恐らく、そのための総括や、それを経験したことによる新たな対策等が練られていることと思いますが、外環道のシールドが既に動き出した今、国からその点についてのしっかりとした説明、安全対策がいまだ示されておりません。この点、住民の皆さんが心配するのは、私は当然のことだと考えます。寝ている間ですから、何らかの異常が感知されたときに、それをどのように住民に知らせるのか、そうしたことは当然、工事する側の責任として示すべきでありますが、それが全くないということが、この間のやりとりでわかりました。  先ほど区の答弁では、避難計画については、事業者と協議を行い、必要に応じて求めていくということでありますが、もう既に工事が南のほうは始まっている。そして、地耐力の調査が終われば、当然、かたい岩盤など、あるいはまた何らかの措置を行って、北からシールドが動き出すのも時間の問題であります。そうした時期だからこそ、避難計画の重要性、そして国に対してそれが求められているわけでありますので、区としてはその点、改めてしっかり住民の声を届けるよう求めておきます。  次に、話し合いの会についてです。  5年が経過して、アンケートの結果、一時休止するということが示されました。このアンケート自体が、これまでの話し合いを傍聴してきた私たちからすれば、一体どのような意図でアンケートがなされたのか、実に不思議な中身でありました。以前その点は質問しましたので、繰り返しません。  しかし、アンケートの結果、一時休止したということは、今後何らかの、これにかわる協議の場を設けるということなのか。住民が不安になっているのは、既に外環の2が練馬から事業化されつつあるということであります。  工事の進捗状況は先ほど確認しましたが、既に南から始まった以上、道路というのは当然、それをさらに続けていきたいというのが、本来の道路をつくろうとする側の気持ちでありまして、それが本当に私たち杉並から南に向かって可能なのかどうか、そのことが必要性の有無から話し合いの会では相談されてきたはずであります。そして、本来ならば、賛成派の皆さんも、なぜ必要なのかということをその場で意見を言ってほしい、それは何度も住民の皆さんも要望したところでありました。しかし、そうした声も聞かれないまま休止され、一体その後どうなるのかということについては、本当に私たち議員も心配になっています。  先ほど、休止したからといって、その後、即工事を行うことはないというふうに区が断言していただいたことで、私はその点はほっとしておりますが、一体この後どのような話し合いの場を持つのか。そのためには当然、これまでそこに参加してきた沿線住民と、じゃ、今後どうするのかという話し合う場が必要だと思います。そうした協議の場も含めて、区がしっかりと次の方向性も含めて国に求めて確認しますよう、改めてその点も要望しまして、回答をお願いいたします。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  都市整備部長。       〔都市整備部長(渡辺幸一)登壇〕 ◎都市整備部長(渡辺幸一) 再質問にお答えをいたします。  まず、外環本線の避難計画に関連する一連のお尋ねでございます。  こちらにつきましては、この間も御答弁しておりますとおり、例を見ない、新たな大規模な大深度地下という工法を採用したということでございます。これまで、博多にしろ中央環状にしろ、例は幾つもあったような現場でさえ、ああいった想定外の事故が起きる。そういったことを考えますと、やはり人間のやることですから、何があってもおかしくない。まずはやっぱり、あっておかしくないという姿勢に立って万全の対策を講じるのが当然の姿勢だろうと思います。それはこの間答弁したとおりでございます。  ということで、今後も引き続き、安全対策、避難計画につきましては、私どもとしてもそういった皆様の御意見をしっかり伝えて、必要な対応をとるように求めてまいりたいと思います。  続きまして、外環の2の話し合いの会でございますけれども、こちらも、東京都といたしましても、この間議論を重ねていてなかなか会の議論がかみ合っていなかった、そういった事態を踏まえまして、よりきちんと議論がかみ合うような話し合いといいますか、方策についてしっかり自分自身として考える時間がほしい、そのようなことでございましたので、今後どのような形で再開するのか、あるいは全く違う形になるのか、それは今東京都が考えていることですけれども、当然、一方的にこれでもうやめたというようなことは、先ほどの御答弁のとおり、私どもとしては想定はしておりませんので、今後東京都から何らかの話がありましたら、しっかりその都度対応して、私どものこれまでの基本方針どおり対応したいと思います。  以上です。 ○副議長(北明範議員) 以上でけしば誠一議員の一般質問を終わります。  14番山本ひろこ議員。       〔14番(山本ひろこ議員)登壇〕 ◆14番(山本ひろこ議員) 杉並区議会公明党の一員として、通告に従い、1、切れ目ない子育て支援について、2、動物との共生について、一般質問いたします。
     日々子育てに奮闘しているお母さんの中には、核家族化や地域とのつながりが薄いことで悩みを相談する相手に恵まれず、児童虐待など深刻な事態が報告されており、お母さんたちが安心して子育てできる環境の整備が急がれています。  こうした課題解消に向けて、平成27年12月よりスタートしましたゆりかご面接は、一人一人の心身の状況や子育て環境を把握する上で大変重要な場であり、保健師等、専門職との対面により会話ができることは、安心感を得て、孤立を防ぎ、個々が抱える育児不安を早期に解消させ、子育ては楽しいと実感できる社会の実現を目指した、切れ目ない子育て支援の根幹をなすものと大いに期待をしています。  ゆりかご面接を実施して、今後期待すること、展望等はいかがでしょうか。また、ゆりかご面接の後はどのような支援がいつまで継続されていくのか、伺います。面接時に配付されるゆりかご応援券の利用状況、区民の反応はいかがでしょうか、伺います。  ゆりかご面接が終了し、パパママ学級や、ゆりかご応援券によるさまざまなサービスを利用していただきながら出産を迎え、無事出産された後には、必要に応じて、産後ケア事業や訪問育児サポーター、子育て応援券により家事援助や親子イベント参加等、当区には子育て支援が豊富に取りそろえられており、大変心強いことで、こうした情報は、母親だけではなく、父親、祖父母、ひとり親家庭、里親、他言語を使用する全ての子育て当事者に届くことが重要と考えます。  それは、就学前から小学生の4人のお子さんの親権者となり、会社を経営されるシングルファザーから、仕事と育児の両立が大変な状況を伺い、杉並区には何らかの支援がないでしょうかと御相談をいただいたこと。同じように、小学生、中学生を育てているシングルファザーから、仕事で夕食はいつも11時ごろになってしまい、それまで子供たちはお菓子を食べて空腹をしのいでいる、お弁当も料理も、短時間でつくれるクックパッドが味方です、本当に大変なんですとの実情を伺い、弱音を吐きにくいシングルファザーに支援が届きにくい現実があるのではないか、頑張っているお父さんにも支援を届ける必要性を感じたからです。  子育てに関する情報提供について、区はどのような取り組みをされているのでしょうか、伺います。  以前にも質問しましたが、NPO法人きずなメール・プロジェクトが配信するきずなメールは、出産予定日を登録することで、妊娠期は、日々成長していく胎児の様子と出産へのアドバイス、お母さんに寄り添った優しい励ましのメールが毎日届き、出産後は、数日に1回、赤ちゃんの成長に合わせて、気をつけることや不安を解消させてくれるようなメールが、3歳の誕生日まで合計500回以上届くというシステムです。  自治体との連携により、自治体が子育て中の家庭に届けたいさまざまな情報を、子供の成長に沿ってタイムリーに配信することができます。文京区では、12の部署から75の事業情報が配信されています。その内容は多岐にわたり、妊婦健診、こんにちは赤ちゃん訪問、児童手当申請、乳児医療証申請、予防接種、乳幼児健診、病児・病後児保育事業、発達相談、ひとり親家庭に対するベビーシッター派遣事業、子育てイベント情報、地震に対する備えなどです。  子育て中は何かと忙しく、大切なことも失念しがちです。お母さんだけでなく、家族や遠方の祖父母など、誰もが無料で登録でき、情報共有することで、そこに会話が生まれ、まさに家族のきずなが深まり、孤独感を解消しているとのことです。  子育てをしている当事者だけではなく、その方の周辺の方に区の情報を届けること、特に子育てに関する情報を届けることは重要と考えますが、区の御所見を伺います。  きずなメールは、現在30の自治体と連携し、配信されているようですが、利用者アンケートを実施した結果、どの自治体も9割を超える満足度を得ているということです。メールは毎日午前中の同じ時間に配信され、アンケートによれば、必ず読んでいるとの回答が90%以上とのことです。さきに述べたお父さんに3歳まで毎日のように区の情報が届いていれば、その後支援が必要になったとき、記憶の中の情報がよみがえり、もっと早くサービスを利用することができたのではないでしょうか。また、孤立しがちな里親の方々にとっても、お預かりしている子供の誕生日を登録することで子育てに関する情報を得ることができれば、地域とのつながりも広がるのではないでしょうか。  区内には他言語を使用する方も暮らしています。きずなメール・プロジェクト内で英語版の配信を検討していたところ、杉並区内で子育て中のママが中心となり、働き方を考えるmamimuという団体の中に、妊娠中のきずなメールの読者だったという方と出会い、その方が翻訳家であったことから、英語版を作成したいとの思いで一致し、杉並区には翻訳が得意なママが多いのではないか、孤独な子育てを予防するきずなメールの活動に共感してくれるママたちがいるのではないかと杉並区在住のママを募ったところ、10名を超える応募者があり、きずなメール英語版作成がスタートし、翻訳した英語は、阿佐谷のネパール人子弟のエベレスト・インターナショナルを通じて在日外国人の方にレビューしていただき、このたび、メード・イン・スギナミの妊娠期のきずなメール英語版が完成したということであります。杉並区から配信がスタートすれば、御協力いただいたお母さん方も喜ばれるのではないでしょうか。  きずなメール・プロジェクトの大島代表は、お世話になっている地元杉並区から、英語版、そして、新たにスタートするLINE版のきずなメールを配信させていただきたいと熱く語られていました。  きずなメールの配信は、新たな事業ということではなく、区が目指している虐待の予防、少子化対策、地域や家族とのきずなづくり、すこやか赤ちゃん訪問等、子育て支援施策の推進を後押しし、区と区民との信頼関係を築くツールとして大変有効であると考えます。区の御所見を伺います。  さまざまな情報を提供するという意味では、広報戦略でもあり、あらゆる可能性を秘めた事業であると考えます。ぜひとも前向きな検討を期待し、次の質問に移ります。  動物との共生について。  動物は、私たちに癒やしや潤いを与えてくれます。動物との暮らしの中で、日課として散歩をする、餌を与えるなどの規則正しい生活は、飼い主の健康維持増進に役立ち、また、お散歩中、御近所の方と挨拶を交わし、飼い主同士、共通、共感する会話は、地域のきずなづくりや認知症の予防にも寄与するところがあり、動物は、人間に多大な影響を与えてくれる、かけがえのない存在であると認識しています。  最近、私の周りには、犬を飼われている方がふえてきたと感じております。狂犬病予防法により登録制度のある犬や、動物の愛護及び管理に関する法律により許可制度のある特定動物を除き、動物の飼育状況を把握する手段はないようですが、東京都ではこれまで犬や猫の飼育実態調査を実施し、飼育頭数の実態把握及び課題の抽出を行い、動物愛護と管理に関する行政施策に反映されているようです。  杉並区で動物の頭数管理、実態調査が行われているのであれば、その傾向と課題等について伺います。  飼育動物は、さまざまなよい影響を与えてくれる、かけがえのない存在である一方で、鳴き声やにおいは近隣トラブルを招くおそれもあり、また、飼い主が病院や施設に入らなければならなくなった、飼い主の体力の低下で散歩や世話ができなくなったなどの理由により、ペットとの生活が継続できなくなる状況もあります。動物に関する相談窓口では、ペットを手放さなくてはならない状況についてどのような対応をされているのでしょうか、伺います。  災害が発生した際の動物との同行避難は課題となっています。災害発生時、震災救援所に飼育動物と同行避難する場合、ケージや餌等は各自が備えておくこととなっていますが、このような備えが十分に行われているのかの実態調査も必要と考えます。また、実際に訓練をしておくことで、ケージの中でおとなしく過ごせるようになるということでありますので、ぜひともこのような訓練を行っていかなければと考えます。  これまで私が参加した防災訓練では、ペット同行で訓練されている方をお見受けしたことはありませんでした。ペット同行で訓練に参加したくても、遠慮されて来られない方もいるのではないでしょうか。こうした訓練を積極的に行うことで、臨場感のある訓練を行うことにつながり、また、これまでの訓練に参加されなかった方々の参加促進にもつながるのではないでしょうか。積極的に推進していただきたいと考えます。  震災救援所でのペット同行訓練について、これまでの取り組みと区の御所見を伺います。  4月、動物愛護議員連盟で、奈良県うだ・アニマルパークで実施されているいのちの教育について視察に行ってまいりました。同アニマルパークは、独自のいのちの教育プログラムを作成し、「あらゆる『いのち』に共感し『いのち』を大切にする心を育む教育」を小中学生、高校生を対象に、アニマルパーク内で、あるいは出前授業という形で実施しています。動物にストレスをかけないよう、模型の動物を用いてのいのちの教育は、環境教育にもつながる大変充実した内容でした。当区でもこのような授業が実施できれば大変すばらしいと感じました。  動物虐待や動物の福祉に反する不適切な飼育で命の尊厳を損なうような事態も、依然として数多く存在しています。こうした教育は、人間の身勝手な行動の抑制につながる重要なことと考えます。  いのちの教育については、人が動物からさまざまな恩恵を受けていることへの感謝の気持ちを育むとともに、動物虐待など不適切な飼育をしないよう学ばせる必要があると考えます。当区の学校現場での現状を伺います。  以前、杉並区NPO支援基金助成事業により開催された「地域で見守る高齢者とペット」と題した講演会に参加させていただきました。講演会の中で、動物愛護法により、動物の飼い主には動物の適正飼育、終生飼育、同行避難、繁殖制限等の義務があることを学ばせていただきました。こうしたことを全ての飼い主に周知し実践していただくことが、動物との共生社会の構築には欠かせないことであると痛感しました。  また、近年、殺処分される動物が激減している陰には、散歩の代行や、飼い主を失ってしまった動物の一時預かりや譲渡会を開催されている動物愛護団体や、多くのボランティアの方々の存在があり、その御努力によって支えられていることを知り、感謝の思いとともに、こうした方々にスポットライトを当てて支援していくことが行政の役目でもあると感じました。  このような講演会をより積極的に開催し、動物の飼い主に直接周知できる仕組みをつくり、震災救援所の訓練等では、専門のトレーナーを招いて訓練を実施し、小中学生を対象にしたいのちの教育を行うなど、さまざまな取り組みを行い、動物を飼う文化を醸成することが、動物が殺処分されることのない、動物との共生社会構築に求められているのではないでしょうか。区の御所見を伺います。  これまで、伴侶動物と入所できる特別養護老人ホームの開設について、一般質問、またさきの予算特別委員会でも質問をさせていただき、区政報告としてお伝えしたところ、ぜひそうした施設をつくってほしいとの強い要望を何人もの方からいただいてまいりました。ペットを家族の一員として、最後までともに暮らすことを多くの人は望んでいます。  4月、動物愛護議連で、2カ所目の視察先として、犬の殺処分ゼロの取り組みについて、広島県神石高原町に行ってまいりました。神石高原町では、ふるさと納税の使途を団体を指定して寄附できる中で、犬の殺処分ゼロに取り組む認定NPO法人ピースウインズ・ジャパンは全体の9割の寄附を集め、その件数は年々上昇し、合計約4万件、寄附総額は9億5,000万円となっています。寄附される方のほとんどは返礼品をお断りになられるそうで、御礼のお便りのみを返礼されているということでした。国民の動物との共生社会への関心の高まりを感じました。  雑誌「中央公論」の特集記事「ふるさと納税の本末転倒」の中で、田中区長は、ふるさと納税「制度に大切なのは、やはり理念だと思うんですよ。『応援したいふるさととは何なのか』というカテゴリーを、きちんと整理する。例えば被災地であったり、」「障がい者施設とか児童施設や高齢者施設であったり。」と述べられていましたが、そのカテゴリーの1つに動物との共生社会構築を加え、伴侶動物と暮らせる特養建設費、運営費や、動物との共生社会構築を目指すさまざまな取り組みを1つのカテゴリーとして検討されてはいかがでしょうか。今後の検討課題としていただきたいことを強く要望して、質問を終わります。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、山本ひろこ議員の御質問のうち、動物が殺処分されることのない社会に関するお尋ねにお答え申し上げます。  動物との触れ合いは、人々の癒やしとなるだけでなく、動物を通じて家族や御近所での話が弾み、地域とのつながりが生まれてまいります。子供たちにとっても、動物との触れ合いは、命のとうとさを学べる大切な機会です。私も犬を飼っておりますが、犬との触れ合いや散歩は、日常生活における大切なひとときとなっております。  その一方で、一部の心ない飼い主が自分の都合により飼い猫を捨てて、飼い主のいない猫が増加するなど、近隣住民の住環境に影響を及ぼしております。現在、こうした問題に対して、地域の中では、自主的なボランティアグループが飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を行い、地域環境に配慮し、ルールを守って飼育していくという活動が広がってきております。  区においては、こうした取り組みの支援とともに、区が委嘱した杉並どうぶつ相談員による動物の適正飼育や、飼い主のいない猫の世話・杉並ルールの普及啓発のほか、獣医師会と民間団体等による動物対策連絡会の開催、区公式ホームページ等による周知を行っております。  これらの地道な活動の積み重ねなどによりまして、都内の動物の殺処分を見ても、この10年で9分の1に減少しております。しかしながら、いまだ殺処分が行われているというのも事実でございます。  そこで、今年度、ルールを守った適正飼育について、さらに地域の理解を深めていく必要があるとの考えのもと、地域、ボランティアと行政が一体となって、飼い主のいない猫の対策事業を拡充してまいります。地域、ボランティア、行政が一体となり、動物が家族の一員から地域の一員として社会の中で認められ、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指して取り組んでまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(鈴木雄一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(鈴木雄一) 私からは、子育て支援に関する一連の御質問にお答えします。  まず、ゆりかご面接を実施して、今後期待すること、展望等についてのお尋ねですが、ゆりかご面接では、安心して出産、子育てができるよう、保健師等の専門職が妊婦とお会いして、妊娠、出産についての不安の解消や、一人一人に合ったプランを作成しています。この面接をきっかけにして、困ったときに気軽に相談できる窓口を知っていただくことで、子育ての孤立化や産後鬱を予防し、虐待の未然防止にも効果があると期待しているところです。こうした切れ目のない支援を行うことで、誰もが安心して育児ができる環境が整っていくものと考えております。  面接後の支援でございますが、すこやか赤ちゃん訪問、乳幼児健診等を通して、保護者の状況や子供の健康、成長に合わせて、伴走型の支援を継続します。  次に、ゆりかご応援券の利用状況等についてのお尋ねですが、28年4月から本事業が開始され、利用有効期限が2年間であるため、最終的な利用状況の確定値ではございませんが、親をサポートする子育て相談、子育て講座、産前産後のケア、一時預かり保育などに多く利用されている傾向にございます。  ゆりかご応援券は、妊娠届け出時にゆりかご面接を行ってから交付されますが、今年度から陣痛タクシーの事業者も加わり、妊娠時だけでなく産後にも利用できますので、お渡しした際には、何に使おうかと楽しそうに相談する御夫婦の姿も見られました。  次に、子育てに関する情報提供についてのお尋ねですが、区では妊娠届け出時に母子手帳を発行し、その際お渡しする母と子の保健バッグには、「子育て便利帳」や妊婦健診の受診票等、さまざまな情報が含まれております。  また、その際に行うゆりかご面接では、妊娠時や子育てに対する心配事を聞き取り、必要に応じて継続的な支援を行うとともに、出産後についても、すこやか赤ちゃん訪問をほぼ全家庭実施し、必要な情報をお届けしているところです。  27年度からは、区内の子育て支援情報を提供する拠点として、区内5カ所の保健センターに併設して子どもセンターを設置し、母子保健事業と連携した事業を展開するとともに、乳幼児親子を中心とした居場所として、区内初の子ども・子育てプラザ和泉を開設いたしました。あわせて、区公式ホームページ内の子育てサイトを、ライフシーン別、目的別等で検索しやすいようにリニューアルいたしました。子育てサイト内には、子育て中のママやパパがつくったすぎなみ子育てラボラトリーのページもあり、実体験に基づいた事例紹介なども行っております。  こうしたさまざまな事業を通じ、正確な情報を必要な時期に提供することで、子育てをしている区民の皆さんに常に区が寄り添って、切れ目のない子育て支援を行っているところでございます。  次に、子育てをしている周囲の方への情報提供に関するお尋ねですが、子育てを周囲で支える方にも区の子育て情報をお伝えすることは、子育てをしている当事者の孤立化や育児の不安を軽減する手段として有用なことであると認識しています。子育てを周囲で支える方には、現在は、区が提供しているさまざまな情報にアクセスしていただくことが主となっており、いわゆるプッシュ型の情報提供は少ないという状況はございますが、情報を届けるターゲットや情報の内容、また、どのような手段で行うかについては、研究の必要があると考えております。  私からは最後になりますが、きずなメールについてのお尋ねにお答えします。  きずなメールが子育ての孤立化等を防ぐ有効なツールであることは認識しております。特に、母親だけではなく、父親や祖父母にも同一のメールが共有でき、子育てを家族みんなで支え合える契機になるものと考えております。  一方で、区といたしましては、ゆりかご面接やすこやか赤ちゃん訪問を通して、フェース・ツー・フェースの関係で子育ての不安、妊婦や家庭のリスクを確認し、必要に応じて継続的な支援を行っているところです。  こうした双方のメリットを有効に組み合わせて、重複した事業とならないよう、効率的に運用することが重要なポイントであると考えております。中野区では2年前から開始したとのことですので、その運用状況も検証しながら研究してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) 私からは、動物との共生に関連しまして、所管にかかわります2点、お答えを申し上げます。  区における動物の頭数管理についてのお尋ねでございますが、犬については、お話にございました狂犬病予防法の登録制度に基づいて、現在、約2万1,000頭と把握をしており、この数年は微増傾向となっております。  飼い猫の頭数は把握しておりませんが、飼い主のいない猫については、今年度より開始しましたボランティアグループとその猫を登録する制度によって、現在、区内で約80頭を把握しております。地域の衛生面の観点からも、飼い主のいない猫などの課題がございまして、今後、区は、実態把握に向けてさらに取り組んでまいります。  次に、ペットの飼育が困難になって、手放さなくてはならない方の相談状況についての御質問でございます。  飼い主が高齢者の場合は、その方を担当するケアマネジャーの方とともに、区が委嘱した杉並どうぶつ相談員及び保健所の職員が同行訪問して、適正飼育の相談に応じております。近隣や知人などで対応できないかを確認の上、飼育の継続が困難な場合は、ボランティア団体の協力のもと、動物の譲渡先を探すなどの対応を行ってございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、動物との共生についての御質問のうち、ペット同伴の訓練に関するお尋ねにお答えいたします。  ペット対応の訓練は、平成15年度からモデル防災会訓練の中でペット同行避難訓練を開始し、その後、震災救援所訓練や総合震災訓練の中で、東京都獣医師会杉並支部の協力を得て毎年実施し、近年は負傷動物救護訓練にも力を入れております。  平成27年5月に改定した震災救援所運営管理標準マニュアルに、飼い主がペットをケージ等に収容した上で決められた場所に置き、給餌――食事の世話ですね、清掃などを自己管理で行うことなど、ペット対応のルールを記載しています。震災救援所訓練等の機会にペット同伴での参加を促すことを通じて、こうしたルールを改めて確認し、ペットの飼い主と他の避難者との相互理解を深めていくことが大切であるというふうに考えております。  私からは以上です。 ○副議長(北明範議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、いのちの教育に関する御質問にお答えします。  身近な動物や自然とのかかわりを通した教育活動は、子供たちが、人間のみならず、あらゆる生命の尊厳等を学ぶ大切な機会であると認識しております。このため、各学校においては、生活科や理科の授業における小動物との触れ合い体験や観察等の学習を通して、自然を愛する心情を育てるとともに、学級活動や委員会活動において小動物等を飼育し、子供たちが当番となって日々の餌やりや飼育場所の清掃等を行うことを通して、生命の尊重や自然環境を大切にする態度の育成を図っているところです。  こうした動物との触れ合い活動に当たっては、御指摘のとおり、不適切な対応で動物に無用なストレスを与えるとともに、命の尊厳を損なうことにならないよう子供たちに教えることも重要であると考えておりますので、議員が視察された他自治体の取り組み等も参考にしつつ、各学校の取り組みを支援してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 以上で山本ひろこ議員の一般質問を終わります。  8番市来とも子議員。       〔8番(市来とも子議員)登壇〕 ◆8番(市来とも子議員) いのち・平和クラブの市来とも子です。通告に従いまして、自殺対策について質問をいたします。  さて、一昨日、2016年度の自殺対策白書が閣議決定され、公表されました。今回の白書では、日本の状況を把握するため、諸外国の状況を細かく分析し比較をしていますが、その内容は衝撃的なものです。日本の自殺率は19.5人であり、約90カ国のうちでワースト6位、女性に限るとワースト3位という、国際的に見ても非常に高い自殺率ということが明らかになっています。さらに、男性の10歳から44歳、小学校高学年から中年初期までの死因の第1位が自殺であり、昨年度はその範囲だけで実に5,722人もの方が亡くなっています。特に子供や若年層の自殺が死因の第1位であり、20代の死因の半数以上が自殺であるという、先進8カ国では見られない状況は深刻です。  そもそも、自殺者の数は決して減ることはありません。例えば失業者であれば、仕事につき、就業者になることによってその人の属性が変化し、失業者数は変化していきますが、自殺者は決してその属性が変わることのない、二度と戻ることのない命です。  日本ではこの15年間で約45万人もの人がみずから命を絶ち、亡くなっています。15年間で失われた45万人の命、その重さははかり知れないものです。45万人の方々には45万通りのそれぞれの人生があったはずです。杉並区の約8割に当たる人口が15年間で失われたことを考えると、その異常事態に愕然といたします。近年、自殺者は減っているものの、いまだ1日平均60人もの人が亡くなっており、杉並区においては、3日に1人が自殺で亡くなっている状況です。  今最も深刻なのは、経済の不況ではなく、生きる意味の不況であると、12年前に出版された著書「生きる意味」にて、文化人類学者の上田紀行さんが述べられていますが、生きる意味の不況が今もなお続いているのではないでしょうか。今後5年後、10年後、15年後、日本がなお1日60人も自殺するような国であり続けないために、失われる命を1人でも減らすために、今何ができるのか、そういった問題意識から質問を行ってまいります。  まず、杉並区における過去15年間の自殺者数は何人でしょうか。区はそのような実態をどのように受けとめているのか伺います。  消費税が3%から5%にアップした翌年の1998年から、それまで2万人台であった自殺者は急増し、2003年には3万4,427人にも達しました。こういった事態を受けて、2006年には自殺対策基本法が制定され、昨年度は制定10年に当たり、基本法が改正をされました。また、この夏には大綱の改正が行われる予定です。国においても自治体においても、さらに自殺対策が強化されることになります。特に地域自殺対策の予算が恒久財源化されたことは大きいと思いますが、基本法の改正のポイントは何か伺います。また、今後の自殺対策における取り組みと内容について伺います。  今回の改正では、全国全ての自治体に自殺対策計画の策定が義務化されました。自殺対策は、自治体によってその取り組みに格差があったため、計画を義務化したことは大きな前進だと思います。区の自殺対策計画策定における今後のスケジュールを示してください。  自殺対策にはPDCAサイクルが必要だと言われています。これからまさにP、プランを作成していくわけですが、自殺対策計画を策定するに当たり、区の現状を的確に分析し、自殺対策にかかわる事業の棚卸しを全庁が連携して積極的に行っていただきたいと思います。区では、庁内の連携を図るため、自殺対策連絡会を開催していますが、全庁的な計画策定となるよう期待をしています。  現在、区は、自殺リスクの高い層をどのように分析をしているのか伺います。  さて、先日、NPO法人ライフリンクが主催する自殺対策についての勉強会に参加をしてきました。そこで学んだことは、自殺に追い込まれる人は、平均して4つの問題を同時に抱えていたということが明らかになっているということです。  鬱病だけでなく、その手前には、失業や過労、多重債務、身体疾患、人間関係の悪化、家庭の悩みやDVなど、複合的な問題が絡み合い、その問題が最も深刻化した状態で起きるのが自殺です。自殺は、追い込まれた末の死であり、社会的に救うことができるものであると考えますが、区はこういった認識を持っているのか伺います。  自殺者は平均して4つの問題を抱えていたということが明らかになり、基本法改正の考え方では、自殺対策は、これまでの疾病型モデル、つまり鬱病対策だけでは対応できないという認識に変わりつつあります。鬱病対策から地域・制度モデルへの変換、個人のさまざまな問題に包摂的にかかわっていく対策に変換していく必要があるという考え方です。鬱病は、追い込まれた末の最終段階であることが多く、もっと手前の要因である問題を解決することが大事であり、ばらばらに切り離された相談窓口や支援策を点から線へつなぎ、線から面へつないでいくことで深刻化を防いでいくということです。  これまでは、鬱病対策、自殺対策は主に保健福祉分野で対策をしてきたと思いますが、今後は全庁的な視野での対策が必要だと考えます。この認識について区に伺います。  ライフリンクの調査では、自殺者のうち、実に72%の人が専門機関に相談をしていた、さらに、そのうち44%の人が1カ月以内に相談をしていたということが、遺族へのアンケートから明らかになっています。窓口に訪れた際、適切な対応ができるか、所管以外の問題があれば、適切にほかの相談窓口につなげることができるかどうか、これが非常に重要なポイントであることがわかります。  区は昨年度より、自殺対策の担当課を感染病予防などを行う保健予防課に移しましたが、その経緯について伺います。  保健所内の保健予防課での対策は、いまだ疾病型モデル、鬱病対策にとどまってはいないでしょうか。この間の自殺対策の議論と基本法改正の考え方にのっとり、点から線へ、線から面への支援につなげるためには、保健所内に担当課があるのではなく、庁内に担当課を置くべきだと考えます。加えて、縦割りから横串を刺し、複層的な問題に対応するためには、自殺対策専任の配置と、総合的に判断できる職員の育成が必要です。担当課については再検討することを要望いたします。  また、庁内連携だけでなく、地域との連携も必要です。社会が多様化する中で、地域の現場で起きる問題は複合化しています。既存の制度や枠組みでは対応できない問題が多く起きており、最も深刻化した末に起きるのが自殺です。裏を返せば、自殺に対応できる地域のネットワークを築くということは、地域のさまざまな問題に対応できるセーフティーネットを築くことにもなります。ライフリンク代表の清水康之さんの、自殺対策があらゆる問題を解決する1つの切り口にはならないか、自殺対策は地域づくりという言葉が印象的でした。
     現在、厚労省では、地域で察知機能、解決機能を持つネットワークづくりをさらに強めるため、地域包括ケアシステムのいわゆる全世代化が議論をされています。高齢者や障害者だけでなく、困窮者支援や自殺対策を通して、世代を超えたセーフティーネットの形成がさらに重要となってきます。地域包括ケアシステムについては、自殺対策との連携の観点からも議論を進めるよう要望しておきます。  さて、先日の学習会では、自死遺族の女性の方のお話を伺いました。自殺した彼女の夫は、杉並区に本籍がある方で、相続関係で杉並区の窓口にもお世話になったと言われていました。彼女から、夫は当日明るい笑顔で出勤していったこと、家族は誰も夫の自殺願望や悩みに気づかなかったこと、まさか自殺するとはというショックとともに、夫を救えなかったという気持ちがいつまでも残り、今もなお後悔の念が残っていることを淡々と語っていただき、改めて御遺族のお気持ちを痛感いたしました。  自殺者に対し4倍から5倍いると言われている自死遺族の多くは、どれだけ時間がたっても癒やせない深い傷を負う一方で、夫や親が自殺したことを地域や学校で言えないという悩みを抱えています。自殺対策と遺族支援は車の両輪であります。遺族支援について、区はどのような取り組みをしていくのか伺います。  加えて、そのお話で知ったことは、夫の自殺にショックを受けながらも、何とか調べてたどり着いた相談窓口であるいのちの電話に、何度かけてもつながらなかったという事実でした。実際、いのちの電話を行っているNPOの方に伺うと、いのちの電話は一日中鳴りっ放しであり、つながる確率は1割から2割とのことです。圧倒的に相談窓口が不足をしている状況です。相談窓口の不足は早急に改善をしなければならない課題かと考えます。  この状況を改善する1つの対策に、SNS、ICTを活用したアウトリーチの取り組みがあります。NPO法人OVAという団体は、インターネット・ゲートキーパーという活動を行っています。このOVAによると、グーグルで「死にたい」と検索する人が、毎月13万件から23万件にも上るということです。ほかのヤフーやMSNなどの検索サイトを加えると、さらにこの件数はふえることになります。  このOVAでは、検索エンジンを活用し、「自殺」、「死にたい」など自殺関連用語を検索した人にのみ広告を表示、特設サイトに誘導し、相談につなげるという取り組みを行っています。この広告表示は地域を特定することもでき、例えば杉並区民が検索した場合、杉並区の相談窓口ページに誘導することが可能となります。  この取り組みは、特に子供や若年層に対し有効なものです。区においても、NPO団体などと連携して、インターネット検索やフェイスブックを利用し、広告を行い、相談ページにつなげる、ICTを活用したアウトリーチを行ってほしいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。  次に、自殺未遂者支援について伺います。  荒川区では、区長みずから自殺対策に積極的に取り組んでおり、全庁的な自殺対策を行っています。その結果、荒川区は、2009年、24.31人だった自殺率が昨年度には12.78人と約半数に激減をしており、23区中3番目に低い自殺率となっています。  荒川区が特に力を入れているのは未遂者支援です。未遂者は、75%の人が複数回未遂を繰り返すことがわかっており、繰り返すことによって既遂に至るケースがあります。そのため、荒川区は、病院、ハローワーク、NPO法人、弁護士、司法書士が参加する自殺未遂者支援連絡会を設置し、区が独自の情報網を形成することに成功しています。この取り組みの結果、病院やNPO、ボランティア団体などから未遂者の情報が届き、迅速に対応できるとのことです。  荒川区の取り組みは、顔の見えるネットワーク化が未遂者支援に有効であり、かつ即効性があるということがわかっています。区においても、このような顔の見えるネットワークづくりについて積極的に取り組んでほしいと思いますが、未遂者支援について、区は今後どのように取り組みを行っていくのか伺います。  次に、教育の観点から伺います。  先ほども述べたように、子供の自殺が多いことは、国際的に見ても非常に深刻です。子供に生きる意味を伝えることと同時に、生きづらさを感じたときには声を上げていいということを教えていくことが必要だと考えます。  今回の法改正により、17条では、児童生徒が悲しさや苦しさを感じたときにどうすればいいのか、強い心理的負担を受けた場合にどう伝えればいいのかなどの教育を行うよう、新たな規定が盛り込まれました。厚労省では「SOSの出し方教育」と記載されていますが、小中学校においてもこうした取り組みを充実していく必要があると思いますが、いかがか伺います。加えて、学校においてさまざまな困り事や悩みを抱える児童生徒を支援する体制の充実も必要ですが、いかがか伺います。  自殺対策は、自殺予防という観点だけではなく、生きることの包括的な支援でもあります。今後、自殺対策をさらに強化し、自殺に追い込まれる人を1人でも減らすよう区の積極的な取り組みを期待するものです。  最後に、自殺対策における区長の役割と意気込みを伺い、私の質問を終わります。 ○副議長(北明範議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。       〔区長(田中 良)登壇〕 ◎区長(田中良) 私からは、市来とも子議員の御質問のうち、自殺対策における役割等についてお答えいたします。  企業における過重労働により、みずからの命を絶った若い女性の自殺が報道されたのは、記憶に新しいところでございます。その後、この事件は社会問題化し、企業における働き方改革にも影響を与えております。また、電車に乗ると、電車が人身事故で遅延しているという話もよく耳にいたします。このようなことが起こるたびに、私は、御本人の葛藤や、かけがえのない大切な家族を突然失ってしまった御遺族のお気持ちを考え、その悲しみに心を痛めますとともに、自殺をとめられるよう、区としてさらなる自殺対策の取り組みが必要であると痛感するところでございます。  近年、経済的要因などを背景に、全国的に平成10年に急増した我が国の自殺者数は、平成18年の自殺対策基本法の制定以降、全国的に少しずつ減少しています。しかし、いまだに我が国の自殺者数は交通事故死の五、六倍でありまして、諸外国と比較しても死亡率が高く、特に15歳から39歳の死亡原因の第1位が自殺であることも大きな特徴であります。これからの未来を担うはずの若年層の自殺が多いという傾向は、杉並区にも当てはまりまして、重く受けとめております。  私は、1人の人がとうとい命をみずから絶つに至るには、健康問題のほか、経済的な問題、人間関係などの社会的要因を含むさまざまな要因が複雑に絡んでいると考えておりまして、自殺対策には、そういった諸要因を取り除く、あるいは軽減する支援を十分に届けるということが何よりも重要であると認識をしております。そのためには、まず、自殺を個人的な問題として捉えるのではなくて、社会的な問題と捉え、地域全体で、社会に追い込まれた末の死を低減できる仕組みを構築する必要があると考えております。  今後、区市町村に義務づけられた自殺対策計画の策定に向け、自殺の実態を把握、分析した上で、保健、医療、福祉、教育、労働などの視点から総合的な対策を検討していく考えであります。それと同時に、区民に対して、悩んだり困ったりしたら、1人で抱え込まずに、まずは自分が相談しやすい相談機関や人に相談してほしいというメッセージを、さまざまな機会を捉えて粘り強く発信し続けていくことも重要であると思います。  自殺対策は、一朝一夕に効果を上げるのは難しい問題ですが、全ての人がかけがえのない個人として尊重され、それぞれが生きがいや希望を持って暮らすことができるように、地域全体で自殺のサインを見逃さずに、悩みを抱えた人の気持ちに寄り添って、それぞれの事情に応じた支援に確実につなげられる環境の整備に全力で取り組んでまいります。  私からは以上です。残りの御質問につきましては、教育長及び関係部長より御答弁申し上げます。 ○副議長(北明範議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) 私からは、自殺対策関連のお尋ねに順次お答えしてまいります。  まず杉並区の自殺の状況についての御質問がございました。  この15年間の自殺者数についてのお尋ねですが、人口動態統計によりますと、自殺が原因の死亡は、平成14年から平成28年までの15年間で合計1,577人、平成28年では死亡者数92人、人口10万対の死亡率は16.45となっております。年間100人前後で推移しており、いまだに高い値と認識してございます。  また、自殺者統計における平成21年度から平成27年度までの年代別の死亡率を全国や東京都と比較いたしますと、若年層で高い値となってございまして、区は若年層で特に自殺対策が必要であると考えております。  次に、自殺対策基本法に関連しました一連の御質問にお答えいたします。  平成28年4月1日の自殺対策基本法の改正では、基本理念に、「自殺対策は、生きることの包括的な支援」として、関連施策との連携が掲げられております。また、自治体は自殺対策計画の策定が義務づけられました。今後、平成29年中に国が自殺大綱、計画策定ガイドラインを示し、それを受けて、翌30年には東京都が計画を策定することとなっております。  区では、これら国、都の計画を踏まえて、区の自殺対策計画を策定してまいります。計画の策定に当たっては、鬱病対策のようないわゆる疾病対策モデルだけではなく、いわゆる地域モデルの構築を念頭に検討し、自殺対策に取り組む関係機関、関係者が連携して、互いに協力し合って、地域全体で区民が自殺に至らないように支え合う杉並区を目指し、取り組んでまいります。  次に、自殺対策に関する支援、認識についてのお尋ねがございました。  自殺に至る動機は、健康問題や多重債務などの経済問題、家庭問題などが複雑に関係し合っており、社会問題として積極的に取り組んでいく必要があると考えております。区はそれぞれの所管で区民の方に相談支援を実施している中で、その方がほかの専門部署に関する問題についてお悩み事の様子があれば、そこへの紹介や連携、いわゆるつなぎを行って、さらなる支援につながるよう取り組んでおります。このような自殺対策における庁内の各担当の連携を強化するため、区では定期的に自殺対策庁内連絡会を開催しまして、全庁的に自殺対策に取り組むよう推進をしてございます。  次に、自殺対策の所管についての御質問、御指摘がございました。  現行の保健予防課では、保健センター等が行います精神保健活動の取りまとめを行っております。自殺対策は、精神保健の専門的視点に立脚した上で、自殺についての正しい知識の普及や、遺族への心理的な影響あるいは用語の使い方を含めた御配慮、こういったものを限りなく実施しまして、負担を軽減していくケアなどを進めていく必要がございます。そのため、区では保健予防課で自殺対策を所管することといたしました。  遺族支援についてのお尋ねもございました。  保健所、保健センターにおきましては、御遺族の意向を踏まえて、個別相談や、場合によりましては自死遺族の会への御紹介を行うほか、リーフレット「かけがえのない人を亡くされた方へ」を作成しまして、残された方がお困りの相談や手続が速やかにできるよう紹介をしているところでございます。  次に、ネット検索から支援につなげる取り組みについてのお尋ねございました。  現在、主要なネット検索サイトで「死にたい」と検索すると、お話がございましたように、専用のページにつながり、こころの健康相談統一ダイヤルという全国統一の相談電話の番号が表示されるようになっております。東京都の場合は、専門の相談員が相談を受け、御本人の意向に合わせて区の担当者へつないでくる、そういった仕組みになってございます。このように広域的に取り組むことで、相談者は住所を特定されずに相談ができるため、より相談しやすくなって、自殺を考えている方への有効な支援方法と考えてございます。  最後になりますが、自殺未遂者の支援についてお答え申し上げます。  区は、自殺未遂の御本人や御家族に対し、保健所、保健センターで個別支援を行って、例えば医療への受診が必要なときには、病院への御紹介や同行受診を行ったり、生活費の問題があるときには、福祉事務所や生活自立支援担当課につないだりなどの連携を図っております。また、自殺対策の相談先を掲載しましたリーフレット「生きてほしい」を作成し、区内各所、あるいは未遂者の方と出会うことがある警察、医療機関などに配布をしまして、連携して区民の相談支援を推進しております。  私からは以上でございます。 ○副議長(北明範議員) 教育長。       〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、自殺対策基本法に基づく学校の取り組みに関する御質問にお答えをいたします。  御指摘のとおり、昨年4月に施行された同法第17条では、学校が児童生徒の心の健康の保持に係る教育、啓発の推進に努めることが改めて明記されました。また、第1条の目的規定には、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、これに対処していくことが重要な課題である旨が追記されております。  こうした自殺の未然防止に向けた学校の取り組みとして大切なことは、児童生徒が発するわずかな兆候も見逃さないこと、そして、児童生徒が強い心理的負担を受けている場合には速やかに適切な対応を図ることと考えます。  児童生徒の実態把握につきましては、各学校の教職員によるきめ細やかな対応に加え、健康診断等における学校医の観察や、スクールカウンセラーとの面談を通して得られる、専門性に裏づけられた情報提供も重要な手がかりとなります。また、本区では、学校運営協議会による生徒会役員との面談や、児童の学習、放課後活動等の支援を行う学校支援本部等の取り組みを通して、これらの関係者が気づいた児童生徒の状況を学校と共有し、対応している事例が見られるなど、これまで着実に進めてきた地域との連携協働による学校づくりが、こうした点でも生かされてきております。  加えて、具体的な対応が必要となるケースがあれば、スクールカウンセラーの相談や教育SATによる支援を行ったり、スクールソーシャルワーカーを中心に、関係機関と連携した支援につなげたりするなど、適時適切な対応を図っているところです。こうした相談支援体制につきましては、本年度はソーシャルスクールワーカーの増員を図っており、引き続き意を用いてまいりたいと存じます。  このように、教育委員会といたしましては、児童生徒がみずから命を絶つという、本人はもとより、家族や周りの人々にも大きな悲しみをもたらす事態に至らないよう、今後とも各学校及び地域、関係機関との連携協働により、全ての児童生徒の心の健康の保持に努めてまいります。  私からは以上です。 ○副議長(北明範議員) 以上で市来とも子議員の一般質問を終わります。  ここで午後1時まで休憩いたします。                               午前11時56分休憩                                   午後1時開議 ○議長(富本卓議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  4番田中ゆうたろう議員。       〔4番(田中ゆうたろう議員)登壇〕 ◆4番(田中ゆうたろう議員) 美しい杉並の田中ゆうたろうです。通告に基づき、一般質問を行わせていただきます。  1項目め、都の市場問題について、2項目め、公園について、3項目め、下水道についてであります。  本題に入ります前に、保守とは何かというお話をちょっとさせていただきたいんですけれども、保守という言葉が、人によって意味合いが余りにもまちまちで、さまざまな使われ方をしていますので、保守、保守と言って、同じ話をしているのかと思ったら全然違う話をしていたというようなことがよくあるので、その辺のことをちょっとお話をさせていただきたいんですけれども、保守とは何かということを考えたときに、私なりに定義をさせていただければ、それは、人々の心に生き続ける本物の文化というものを最後まで守り抜くということが私は保守だと思っているんですよ。それは、例えば大きな国の話でいえば、皇室もそうですし、あるいは明治憲法とか靖国神社とか、そういうのもそうですし、地域のことに照らしていえば、昨今話題になっております市場ですとか、あるいは町の小さな公園ですとか、そういったものも私は保守として守らなきゃいけない文化そのものじゃないかと思っているんです。  それで、先日、ほかの議員が公園についてお触れになって、公園は区民の原風景そのものなんだと、そういう旨のことをおっしゃったかと思いますけれども、私は大変感慨深く聞かせていただきました。本当にそのとおりだろうと思いますし、また私なりの言い方をさせてもらえれば、原風景であると同時に、人々の心そのものであり、その地域その地域に根づく文化そのものなので、それはやっぱり守らなきゃいけない。たとえほかの行政需要があっても、それは何としても保守としては守り抜かなきゃいけないものだったんじゃないかなというふうに思います。そういうふうに思って、その質問も感慨深く聞かせていただいたんですね。  それと、もう一つ、憲法の話を言わせてもらいますけれども、憲法の話も話題になっていたので言うんですけれども、私は、憲法については、きょうあるいはきのう既にお取り上げになった議員とは全然別の立場から、やっぱり今の安倍首相が唱えている、2020年までに現行憲法9条を変えずに、いじらずに、何かつけ足す形で自衛隊を明文化するというのは非常に問題があると思っています。自衛権がない自衛隊を明文化しちゃったら、今よりますます自衛隊が弱体化しちゃうので、それだったら曖昧なままのほうがまだましじゃないかと。 ○議長(富本卓議員) 田中議員、通告に基づき、質問をお願い申し上げます。 ◆4番(田中ゆうたろう議員) はい、わかりました。  じゃ、そろそろ本題に移りますけれども、都の市場問題なんですね。それで、都の市場も、築地市場を私は守らなきゃいけないという立場でございまして、何で杉並区議会で築地市場のことを取り上げなきゃいけないかといいますと、5月20日の日経新聞がちょうどいい記事を載せてくれたので、それをちょっと読ませていただきますけれども、「東京の発展は埋め立ての歴史である。移転問題に揺れる築地市場一帯は、もとはアシが生い茂る東京湾の浅瀬。浄土真宗の門徒が約3万平方メートルを埋め立てたのが開発の始まりだ。」ということで、埋め立ての「工事に尽力したのは隅田川を挟んで東に約1キロの佃島の漁師たち『佃島門徒』。」という、これは浄土真宗の門徒ですけれども、「摂津国西成郡佃村から江戸に移り、日本橋の魚河岸で活躍したといわれる。築地本願寺は1679年に完成。」「1923年の関東大震災後で、そのほとんどが都内各地に移り、跡地は日本橋から魚河岸が移ってきた築地市場の場外市場となった。同寺和田堀廟所の一区画には『佃島門徒』の先祖代々の墓がずらりと並ぶ。佃島に住む飯田恒雄さん(78)は毎月のように先祖の墓に参る。『商売が成り立つかどうかだね』。移転問題の感慨を聞いてみると江戸っ子らしい言葉が返ってきた。」ということで、つまり、杉並にある和田堀廟所も、そして今話題になっております築地市場も、実は築地本願寺の、廟所のほうは墓地として移ってきた。そして、場外市場を含む築地市場というのはもともと築地本願寺の寺内町であったということでありますから、実は両方とも築地文化圏のそれぞれ一翼を担うということで、決して無関係ではないわけであります。  私どもは、ともすれば、つい自分の住んでいる地域のことにばかり目を向けがちですけれども、案外、全然よその地域のことと文化的な背景でつながっているということもありますので、そういった視点を持つ必要があるのかなというふうに思うんですね。  それで、区長が市場問題で都議会に出向いて発言をするとマスコミ報道がなされております。これは5月23日の日本経済新聞朝刊に出ているんですが、これの真偽のほどをお尋ねいたします。  それと、この日経の記事にも出ていますし、以前のNHKのインタビュー記事もありましたけれども、市場問題について、豊洲移転を進めるべきだと、そういう趣旨の区長の発言がマスコミに報道されておりますけれども、小池都知事は総合的に判断するとしているところでありまして、そういった中で、一方の側にくみするという区長の態度には賛成をしかねるという区民の声も聞こえておりますが、どうお考えになるか、見解をお伺いいたします。  それで、時代の大きな変化というもの、この40年間の流通機構の変化というものを見据えましたときに、築地が20ヘクタールで豊洲が40ヘクタール、倍もある。一方、築地の仲卸さんは、最盛期のバブルのころは1,200軒あったのが、今547軒かなんかで半分以下になっている。そんなような中で、市場に使われる、お魚を入れておく水槽、ダンベというそうですけれども、ダンベが、最盛期のバブルのころは1億か2億かと言われたものが、今は500万とか700万とか言われているそうですね。  とにかく経済も一変して、流通機構も一変している中で、私は、先ほど申し上げたように、現在ならば、築地市場の現在地での再編成ということは十分に可能じゃないかというふうに考えているわけなんですね。そういう見方もできると思います。都知事に思い切って築地市場の再編をむしろ要望なさってはいかがかと思いますけれども、この私の見解に対する区の御所見をお尋ねいたします。  あわせて付言しておきますと、安心・安全という言葉も今非常に取り沙汰をされておりますけれども、安心・安全ということでいえば、土壌の汚染の問題だけじゃなくて、6年前の東日本大震災のときにも築地市場はびくともしなかったということがございます。一方、豊洲のほうでは液状化現象が起きている。築地のほうは、佃島門徒が神田山の山砂を削って埋め立てたものですから、地震が起きてもびくともしない。むしろ締まる一方で、全然揺らがなかった。こういうようなこともあるので、やっぱり安心・安全という観点から見ても、私は築地のほうに軍配が上がるんじゃないかというふうに思っております。その点もつけ加えておきたいと思います。  次に、公園について伺いますけれども、さっきもちらっと触れましたけれども、公園というのも、原風景であり、人々の心そのもの、文化そのものであって、そう簡単に犠牲にしてもらったら困るんだということをるる申し上げておりますけれども、今回、きょう取り上げるのは区の責任では全然ございませんで、東京都の問題なんですけれども、第二桃園川幹線という、要するに桃園川の下水をもう一つつくるという整備事業が始まろうとしております。それで、その事業を進めるに当たって、蚕糸の森公園の一画がどうしても必要だというので、その一画が8年間使えなくなってしまうということなんですけれども、まずは、この第二桃園川幹線整備事業の経緯についてお尋ねをいたします。  その上で、第二桃園川幹線整備事業に関する先日行われた東京都の説明会、私も出席したんですけれども、出席者も少なくて、特に蚕糸の森公園の主な利用者である子供の保護者ですとか近隣の保育事業者も、ほとんど来ておられませんでした。町会には大変御努力をいただいておりますが、正直、回覧板をごらんにならない家庭というのも非常に多いわけで、区報あるいは都報などを活用して、さらなる周知徹底を図っていただきたいと思いますし、また、工事が開始された後も、工事の進捗状況など経過報告を定期的に行っていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか、御所見をお尋ねいたします。  蚕糸の森公園も、利用率が極めて高い。特に今回8年間使えなくなってしまう場所というのは、乳幼児を含む子供、地域の子供たちにとっては、本当になくてはならない貴重な遊び場所になっております。ここが使えなくなるということで、町会の恒例のスイカ割りも何もできなくなっちゃうので、情報をまめに知りたいというのが地元の声でございますので、その点要望いたしまして、最後に、下水道に移らせていただきます。  まず、今月6月に入りまして、6月というのは浸水対策強化月間ということで、地域の方々を対象に、下水道の役割を理解してもらうために、ポンプ所などの施設見学会の実施、あるいは浸水への備えの必要性を東京都がPRをしております。  それで、今度の6月11日に、これも恒例なんですけれども、和田ポンプ施設という、和田公園の隣にあるのが、見学会がございますので、私もまた行ってこようかと思っているんですけれども、下水の中がどうなっているのかというのは、ふだんもちろん目に見えないわけで、知る由もないんですけれども、そういうこともやっぱり知っておく必要がある。そういう意味では、都の浸水対策強化月間の取り組みというのも意義のあることだと理解をしているんですけれども、まず、区内の下水道の氾濫によります浸水の被害の現状や特徴、対策の現況、それと今後の課題についてお伺いをしておきます。  それと、今るる申し上げてまいりましたけれども、第二桃園川幹線整備事業のために、蚕糸の森公園の一部が8年間という長期にわたって使えないことになる。周辺住民の理解を深めるために、さっき和田ポンプ所の説明会の例も御紹介しましたけれども、例えばそういった工事を見学する機会を設けていただきまして、子供たちの学習ですとか、あるいは大人も含めて生涯学習の一助に供してはいかがかと思うんですけれども、見解をお尋ねいたします。  電線、電柱の地中化ということもそうですけれども、それはもちろん快適なまちづくりのために必要なプロセスだと思います。思いますけれども、ふだん我々人間の目に見えないところに不都合なものを隠してしまって、ともすれば、自分たちはどうやって生きているのか、例えば用を足した後、その用を足したものはどこに流れていくのかというようなことを全然別世界のこととして考えられないようになっちゃうと、環境に対する関心なんかも弱まっていくということになると思いますし、自分たちがふだん使っている電気というものがどうやってやってくるのかということを考えられないようになっちゃうと、やっぱり教育的にはどうかなと思うんですね。ですから、地中化は大事ですけれども、たまにはそれを見えるように、見えるような機会を設けて、大人も子供も学習する機会を大切に設けてはどうかと思うんですけれども、その点お伺いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  総務部長。       〔総務部長(関谷 隆)登壇〕 ◎総務部長(関谷隆) 私からは、東京都の市場問題に関する御質問にお答えいたします。  この問題に対しての区長の発言につきましては、5月22日に開催した記者懇談会の席上、マスコミからの質問に対して、都議会の議長経験者として、都議会から求めがあれば発言すると区長が回答したものでございます。  また、豊洲移転を進めるべきとの趣旨についての御質問がございました。  この点につきましては、依然として都知事は豊洲への移転の状況を明確にしないまま、調査等に時間を費やしている状況でございますけれども、豊洲移転に当たっては、既におよそ6,000億円の事業費が投入されており、さらに移転延期により、豊洲市場の維持費や事業者への補償金等にも多額な経費がかかっていることから、一刻も早く解決への道筋を明らかにすることこそが必要であると考え、発言したものでございます。  なお、都知事に築地市場での再編を要望する考えはございません。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 土木担当部長。       〔土木担当部長(吉野 稔)登壇〕 ◎土木担当部長(吉野稔) 私からは、公園と下水道に関連する一連の御質問にお答えいたします。  初めに、区内の浸水被害の現状や特徴でございますが、近年多発するいわゆるゲリラ豪雨の際には、河川の氾濫に加え、川から離れたところでも、下水道で処理し切れなくなった雨水がマンホールからあふれ出すなど、道路冠水や家屋の浸水被害が発生してございます。このため、下水道局では、桃園川幹線流域の浸水対策として第二桃園川幹線の整備、及び荻窪2丁目、松見橋付近の浸水対策として貯留管の整備を今年度から着手することとしています。今後さらに1時間50ミリの降雨に対応する下水道施設の整備を進め、早期に浸水被害の解消を図ることが課題となってございます。  次に、第二桃園川幹線整備事業の経緯についてのお尋ねですが、桃園川幹線流域の天沼、阿佐谷、高円寺地域や下流の中野区内でたびたび発生する浸水被害の軽減を図るため、新たな下水道幹線を整備するものです。整備工事に作業用地が必要なことから、蚕糸の森公園の一部を使用することとし、公園利用者への影響が最小限となるよう、下水道局と調整を進めてきたところでございます。  最後に、蚕糸の森公園利用者や周辺住民への周知と理解を深める取り組みについての御質問にお答えいたします。  東京都はこれまでにも事業説明会や工事説明会を開催するなど、事業の周知に努めてまいりました。今後も、工事の進捗状況を公園内に掲示するなど丁寧な周知を図ることや、工事見学会など事業に対する理解を深める取り組みについて、東京都に働きかけてまいります。
     私から以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 以上で田中ゆうたろう議員の一般質問を終わります。  9番小林ゆみ議員。       〔9番(小林ゆみ議員)登壇〕 ◆9番(小林ゆみ議員) 自民・無所属クラブの小林ゆみです。本日は、聴覚障害者支援とそれに関する教育について、高齢者実態調査について、オリンピックパラリンピックに向けての杉並区の取り組みについての3項目について質問してまいります。  まず、聴覚障害者支援とそれに関する教育について質問いたします。  聴力に関する問題には、先天的な聴覚障害、中途失聴・難聴、また老化により耳が聞こえづらくなることなどが含まれます。そのため、全ての人の聴力が低下するあるいは失われる可能性があり、現在両耳が聞こえているからといって、自分は無関係だとは言えません。実際に、杉並区内の全障害者数のうち、聴覚障害者の数とその推移を見ると、4月1日現在の身体障害者手帳所持者数のうち、聴覚平衡機能障害に関しては、平成23年は926名、それから毎年微増し、平成29年度は999名となっており、聴力に関する不便を感じている区民は年々ふえています。  ことし2月7日の朝日新聞朝刊に掲載されていた聴覚障害者の方による投書で、最近はマスクを着用している人が多く、口の動きを読もうとしても、相手がマスクをしているとわからないというものがあり、また、私が聴覚障害をお持ちの区民の方から直接伺ったことですが、身体障害者の中でも聴覚障害者は、外見から障害の有無がわかりづらいため、町なかやお店の中で聴覚障害者であるということに気づいてもらうまで時間がかかり、周りに迷惑をかけてしまうことがあるといいます。このように、聴覚障害者に特有の日常生活における不便が多いということを、区民の方からのお話や御相談を耳にするたびに感じます。  近年は、音声読み取り機能を備えた各種デジタルデバイスの発達等により、以前よりも聴覚障害者の方が暮らしやすくなったと言えます。しかし、忘れてはならないのは、生まれつきの聴覚障害者の方にとって、母語は日本手話であり、日本語は1つの外国語のようなものにすぎないということです。  一般的に母語は、その言語を使う人のアイデンティティーの形成に大きく寄与しています。例えば、私がスウェーデンに行って現地の人と触れ合った際、スウェーデン語で現地のおばあさんに話しかけると、私たちの言語は話者が年々減っている、もしかしたら将来消えてなくなってしまうかもしれない、それなのにわざわざ勉強して習得し、こうして意思疎通を図ってくれてありがとうと言い、涙を流して喜んでいました。  スマートフォンやタブレット端末が普及し、音声読み取り機能が発達したといっても、母語が日本手話である方にとっては、外国語を操っているような感覚は捨て切れず、母語を使うことができないゆえのストレスを抱えてしまいます。それゆえ、日本語表記があるから手話はなくてもよいとは決して言うことができません。  そこで、杉並区の式典や催しに手話通訳を導入する基準はどのようになっているのか、事前に区に申し込んだ希望者がたとえ1人だとしても手話通訳を用意するのか、お尋ねします。  杉並区在住の聴覚障害者の方々に話を聞いたところ、新たに手話通訳を導入してほしいものは、区政や災害時の避難など、重要性の高い情報を発信するコンテンツとのことで、手話通訳に対するニーズは、現在区が供給している以上に多様である可能性があります。  そこで、まず杉並区ができることとして、杉並区が開催している手話講習会の受講者数をふやし、結果的に手話ができる区民や区内在勤者がふえることが望ましいと言えます。  区は長年にわたり手話講習会を無料で開催し、あらゆる方が講習会を受けやすくしている点はすばらしく、評価をするところです。ただ、平成27年、28年の決算特別委員会において他の委員から、中途失聴・難聴者を対象とした手話講習会についての質問があり、その質疑において区から、現在は受講者数がふえていない、受講者数をふやしていくということについての取り組みを進めていくという趣旨の答弁がありました。  中途失聴・難聴者以外の方を対象とした手話講習会の現在の受講者数は、初級クラスは定員である50名に近いのですが、中級以上のクラスでは、ぐっと受講者数が減っていると聞いています。手話講習会は、受講者数がふえても募集定員内であれば、講師の方に払う謝礼等に充てるための区のコストが増加しません。そのため、やはり手話講習会の受講者数をさらにふやすべきであると言えます。  そこで、区が開催している手話講習会の受講者をふやす取り組みとして具体的に何をしたのか、また、近年の受講者数の推移はどのようになっているのか、お示しください。  また、コストという点から手話通訳者の方の報酬について考えると、一般にプロの手話通訳者の報酬は時給2,000円程度が相場です。しかし、手話通訳者への道のりは長く、私の知り合いの手話通訳者の方で、プロになるのに10年以上かかったという方もいらっしゃいます。ただ、プロに限れば手話通訳者の数は少ないですが、仮にプロの一歩手前の状態の方もボランティアとして活躍できるならば、経験を積むことで本人のレベルが上がり、また聴覚障害者支援の裾野を広げることにもつながります。さらに、ボランティアという形態であるならば、区が負担するコストの懸念もありません。  そこで、杉並区の手話講習会の卒業生を手話通訳ボランティアとして積極的に活用すべきと考えますが、見解を伺います。  次に、中途失聴・難聴についてですが、実際に私もことし4月に鼻炎と風邪の影響で片耳が突発性難聴になり、苦労しました。それだけではなく、聞こえないということから精神的に不安になり、さらに周りには難聴の状態であるとわかってもらえないので、焦りや絶望感にさいなまれました。  そこで、中途失聴・難聴者の方への精神面でのサポートは、杉並区は現在どのように行っているのか、お尋ねします。  ここまで言及してきたような、日々の生活において当然必要不可欠なサポートだけではなく、毎日を豊かに、文化的に過ごせるためのサポートがあれば、聴覚障害者の方々がより豊かな生活を送ることができます。例えば、実際に私が聴覚障害者の方から聞いた体験談として、ミュージカルなどの観劇におけるタブレットを使った電子字幕など、文化的な活動に聴覚障害者が今よりもっと参加できるような工夫があれば、聴覚障害者の方々の世界が広がります。杉並区で行っている文化的なイベントに、手話通訳や字幕表示を今よりもさらに多くの場面で導入すべきと思いますが、見解を問います。  また、スポーツやレクリエーション活動へ参加することも、毎日を豊かに過ごすために有効であると考えます。それらのイベントへの参加を聴覚障害者の方々に促す取り組みが必要と考えますが、現状はどのようになっているのか伺います。  次に、区立小中学校における聴覚障害に関する指導についてです。  他の地域に目を転じると、北海道石狩市の道立石狩翔陽高校では、今年度から、高校2年生の選択科目として手話語の授業が始まりました。私の出身大学でも日本手話は1つの言語として扱われており、マラヤーラム語やアルメニア語等と同じく、選択科目として授業が設置されていました。  そこで、杉並区の区立小中学校における聴覚障害についての指導について、科目や指導内容はどのようになっているのか、現状をお尋ねします。  障害についての教育では、教科書を使った座学だけではなく、実際に手話を指導したり、一時的に耳が聞こえなくなる装置を使って歩くなどの体験をしたり、自分の体を使って、障害者の身になり、同じ目線で物を見ることが効果的であり、それこそが障害者理解の近道です。区立小中学校において、パッシブではなく、そのようなアクティブな体験型の学びをより拡充していくべきだと考えますが、区の見解を伺って、次の質問に移ります。  次に、高齢者実態調査について幾つか伺います。  先日、杉並区保健福祉部高齢者施策課から、各議員に杉並区高齢者実態調査報告書平成28年度版が配付されました。高齢者実態調査は、3年ごとに杉並区内で調査され、調査結果は、杉並区内の地域別、年齢別、性別などの区分に分類されて記載されています。冊子の後半では、同じ項目について経年比較もできるようになっているため、私たち議員にとって役立つ情報が多く、参考になりました。  まず、杉並区高齢者実態調査の目的と対象者、また調査の観点を確認します。  実際に調査結果を見て、何点か気づくことがありましたので、以下、それについて質問してまいります。  項目ごとに結果を見ていくと、7つに分けられた杉並区の地域ごと、年齢ごとに顕著な差が見られるものもあります。例えば、「日常生活で手助けをしてほしいこと」という項目において、安否確認の声かけをしてほしい人は、満85歳から89歳だと全体の36.8%であるのに対し、満90歳から94歳だと0.0%になっています。同じように区が行っている調査である区民意向調査のように、概略版が別冊で出されていると、対象者ごとの大まかな傾向がわかりやすいのですが、予算の関係上、高齢者実態調査において新たに概略版をつくることは難しいかもしれません。  そこで、調査結果を受けて、区側が認識している7地域ごとの傾向と年齢的な傾向を概括的に伺います。  また、今回の調査結果を集計し、わかりやすくまとめた結果、データとして見えなくなってしまった部分もあります。データの集計時は、地域別、男女別、年齢別と、区分別に集計していますが、完成した調査結果報告書を見ると、地域ごとの差を示さずに杉並区全体のデータを示していることが多く、地域ごとの差をはっきりと記載しているものは、住まいや介護、現在やっている活動といった調査項目に限られており、情報取得の手段や目的、通院や外出などの大多数の項目では、地域ごとの差は見えなくなってしまっています。例えば、29ページの地域区分別の「現在やっている活動」は、阿佐谷地域では、現在やっている活動の中で、「町会、自治会、いきいきクラブ活動」が少ないということが読み取れます。  このように、地域ごとの差異がわかるように記載していれば、地域ごとの課題がしっかり見えてくるため、区も私たち議員も、その地域に足りていないサービスや、逆に過剰なサービスを判断できます。  これらのデータをさらに細分化して分析することは、エリアマーケティングとして非常に重要で、実行計画や施設再編整備計画などの行政計画に大いに活用できます。地域の課題がわかるようにするためにも、紙面のスペースを工夫し、地域別にデータを示すべきだと思いますが、見解を伺います。  報告書の16ページを見ると、主な収入の種類が示されており、満65歳から69歳の方の収入のうち、「自分の仕事の収入」と答えた方が30.4%であることから、杉並区内の高齢者の働く意欲が増しているように感じます。  まず、この要因を区はどのように分析しているのか伺います。  また、就業に関連し、私が平成27年第2回定例会でシルバー人材センターの一般質問をしてから2年が経過しました。シルバー人材センターの就業率と23区内の順位はどうなったか伺います。  次に、高齢者の生きがいについてですが、報告書の158ページを見ると、生きがいを感じていますかという質問に対し、「はい」と答えた方が平成22年度から平成28年度まで連続して減少しているため、生きがいを感じている方が徐々に減り、159ページを見ると、「現在やっている、または今後やってみたいこと」という質問に対し、「特にない」と答えた方が平成22年度は10.0%であったのに対し、平成28年度は39.6%にまで上昇しており、高齢者が意欲を失い、無気力になっているように見えます。  これらのデータから、杉並区の高齢者が生きがいを感じやすくするような施策に課題があると感じますが、区は高齢者が生きがいを高めるために具体的にどのような施策を行っているのか、確認します。  報告書の85ページを見ると、64歳以下の方が同居している2世代家族は、要支援、要介護認定を受けた第1号被保険者のうち15.6%であり、全体で見て3番目に多い割合となっています。家族のみで介護している人は負担が大きいため、区が意識して支えていくべきだと考えますが、自宅で介護を行う区民の方に、区として何か慰労や支援をしているのかを伺い、次の質問に移ります。  最後の項目として、オリンピックパラリンピックに向けての杉並区の取り組みについて問うてまいります。  少し前までは、都民にとってまだ少し先のことであるという認識であった2020年オリンピックパラリンピックが日に日に近づいてきており、日数にして、本日からあと1,149日で開会式というところまで来ています。一都民として、東京において、世界最大のスポーツの祭典であるオリンピックパラリンピックが開催されることは喜ばしいことであり、今から期待で心を躍らせています。  去年私が訪れたロンドンのレストランで、2020年に東京に行くために今から節約しようと男性たちが盛り上がっているのを聞いたことがありますが、世界中でも東京オリンピックパラリンピックに対する期待が高まっていると感じます。しかし、世界中から一度に多くの人が集まるということを考慮に入れると、オリンピックパラリンピックには光と影の部分があると感じています。  まずは、光、日本が活性化するという部分についてお聞きします。  大会開催に向け、都は、会場におけるボランティア1万人、都市対応ボランティア8万人を用意するとの見解を示しています。杉並区には競技会場がないため、区としては、競技をするという目的以外で杉並区に来てもらう取り組みが必要であり、そのため、杉並区内で活動するボランティアの育成が重要となってきます。  そこで、都が募集するボランティアの応募条件とその募集時期、育成計画を伺います。また、杉並区におけるボランティアの育成について、どのような計画をお持ちであるのか伺います。  ボランティアに関連し、海外から来る方と区民とのコミュニケーションについてお聞きします。  オリンピックパラリンピックでインバウンドがふえるため、東京での大会開催は、世界共通語となりつつある英語の習得の1つの目標期限とすることは適しています。英語の学習者にとって、どのように、また、いつまでにどのレベルに達するようにという明確な目標を持って取り組むことが喫緊の課題であり、一方で、学校など教育を施す側も、会話中心の試験であるTOEFLの点数に基準を設けるなど、具体的な目標を示すべきと考えます。  さらに、内容面でいうと、自国の文化について学ぶ必要があります。私も実際、お寺と神社の違いや歴史的な知識について、訪日外国人によく聞かれます。あるとき、アディゲ共和国から来た方から、足利義満について質問されたときは冷や汗をかき、うまく説明できず、恥ずかしい思いをしました。そうならないためにも、いま一度、日本、東京、杉並の歴史や文化を振り返り、さらにそれを英語で言えるようにするのが望ましいと言えます。  そこで、区立小中学校におけるオリンピックパラリンピック教育において、各教科等で学んだ日本、東京、杉並区の歴史や文化を英語で外国人に伝えられる力を育んでほしいと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。  英語教育を推進する一方で、たとえ英語が使えなくても、ジェスチャーや筆記用具、デジタルデバイスを使って簡単に道案内できるためのシミュレーション、トレーニングも必要です。実際に私も、杉並区内では外国の方から、JRから丸ノ内線の乗りかえ方法や、普通電車と快速電車の違い等はよく聞かれます。  そこで、例えばですが、英語を話すことができなくても外国人の方に通じるよう、簡単な表現や指さしで意思疎通ができるイラストや、電車の乗りかえ案内図つきのペーパーやクリアファイルをつくり、商店街や一般の区民の方に配るという案などが考えられます。そのような、英語を余り使わずにコミュニケーションをとる方法も区として提案してはどうかと考えますが、見解を問います。  また、今回のオリンピックでは、スポーツクライミングやサーフィンなど、さまざまな年代の方が楽しむことができるような新たな競技がプログラムに組み込まれています。この背景には、若者のスポーツ離れに対する懸念や、スポーツへの関心の低下などがあります。従来の競技は苦手だが、これらの新たな競技は得意だという層の関心が集められるため、新競技の追加は、杉並区内でも新競技に関心が高い区民に向け、オリンピックパラリンピックの機運醸成、また地域活性化に資すると考えられます。  そこで、オリンピックパラリンピックを活用して地域活性化を図るために、区の既存の施設を使い、新たな競技を紹介するなど、さまざまな年代の区民が楽しめるような取り組みによって区民の機運醸成に努めるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、オリンピックパラリンピックの影の部分、リスクについてお聞きします。  大会開催でインバウンドが増加することにより、パンデミックの発生に対する対策が必要となり、一部では、現在日本には症例がない病気などに対する対策も考えられています。パンデミックといえば、平成26年の代々木公園におけるデング熱の大流行は記憶に新しく、オリンピックパラリンピック開催時期が夏ということもあり、デング熱に対する懸念が再び高まっています。  そこで、杉並区は、オリンピックパラリンピックに向けた感染症等への対策はどのように行い、区民へ感染症の周知をどのように行っていくのか、お尋ねします。  最後に、テロ対策について質問します。  イギリスでは、先日コンサート会場でテロがあり、多数の死傷者が出たばかりです。オリンピックにおけるテロの例を見ると、1972年のミュンヘンオリンピックでは、死者17名が出た人質事件も起きています。仮に杉並区内でテロが起こってしまった場合、杉並区でテロ対策本部をつくるのか、東京都、消防、警察とどのように連携していくのか等が区民の関心事になります。  足立区は、ことし1月、23区の中で先駆けて警視庁とタッグを組み、足立区テロ及び災害対策事業の推進に関する覚書を締結し、テロ対策を行っていくと宣言しました。オリンピックとなると、警察だけでなく、自治体や民間の警備会社等が力を合わせていかねばテロ対策は実現しないと考えられるため、今後、足立区のようなテロ対策の先進的な取り組みが求められます。  オリンピックパラリンピックだけでなく、北朝鮮情勢も緊迫している今日、本格的な対策を今こそ考え直していかねばなりません。テロには、バイオテロなどさまざまな形態のテロが考えられますが、その類型や、自分の身を守るために、それらのテロに個別にどのように対処し行動すべきかのガイドラインを区として示すべきだと考えますが、区の見解を問います。  杉並区でも、人が集まりやすい場所やイベントは数知れず、テロの標的とは無縁ではありません。もちろん、本来あってはならないことですが、区民の安心・安全を確実にするためには、実際にテロが起こってしまった際のシミュレーションを行っておくことが必要となってきます。  そこで、最後の質問ですが、災害時の避難訓練等と同時にでもよいので、仮にテロが起こった場合に区民がすべきことを事前に行っておくべきであると考えます。杉並区ではどのようなテロの訓練が考えられるかを伺って、私の質問を終わります。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  保健福祉部長。       〔保健福祉部長(有坂幹朗)登壇〕 ◎保健福祉部長(有坂幹朗) 私からは、聴覚障害者支援に関しまして、所管事項についての御質問にお答えします。  まず、区の式典などに手話通訳を導入する基準についてのお尋ねですが、現時点では、手話通訳を導入する基準は定めておりません。しかし、聴覚障害の方も多く参加される区の式典やイベントなどにおきましては、あらかじめ手話通訳を導入しているところでございます。  手話通訳の希望があった場合の対応ですけれども、平成28年4月から障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の提供の観点からも、今後さらに適切に対応してまいりたいと存じます。  次に、手話講習会についての御質問にお答えいたします。  手話講習会の受講者をふやすこれまでの取り組みとしましては、受講者の少なかった中途失聴者クラスの受講対象者を、区内在住在勤者以外の、障害者の御家族の方、会社の同僚など関係者の方にも拡大しました。また、講習会開催の周知につきましても、案内文の配布のほか、「広報すぎなみ」、区公式ホームページ、杉並ボランティアセンターのホームページなどさまざまな媒体を活用し、より多くの区民の方々の目にとめていただけるよう努めております。さらに、聴覚障害者団体の皆様と講習会について検討し、名称を変更するなど、より幅広い対象の方に参加していただけるよう工夫して取り組んでおります。  受講者の推移ですけれども、全体としましては210名前後で、ほぼ横ばい傾向にございます。  次に、手話講習会の卒業生につきまして、区の認定試験に合格された方には、区の手話通訳者として登録いただき、手話通訳者派遣事業で活動していただいております。また、卒業生の中には、地域のイベントやサークル団体等で手話通訳ボランティアとして活動している方もいらっしゃいます。今後は、さらに多くの卒業生に活躍していただけるよう、手話通訳者の講習会等について、さらに周知を図ってまいります。  次に、中途失聴・難聴者への精神面でのサポートについての御質問にお答えします。  区では、中途失聴・難聴者に限らず、障害のある方の悩み事などにつきましては、杉並区障害者地域相談支援センター「すまいる」で相談をお受けしています。精神面のサポートにつきましては、障害当事者や支援者とのかかわりが重要であることから、「すまいる」におきまして、障害者団体や団体が実施しています講座などを紹介し、障害当事者や団体の活動へつなぐなどの支援を行っております。  次に、区主催の文化的なイベントに手話通訳や字幕表示をさらに導入することについてのお尋ねですが、障害者差別解消法に基づいた合理的配慮の提供も踏まえ、聴覚障害のある方が舞台芸術公演などを楽しむためにも、手話通訳や、公演内容を伝える機器による支援などが重要でございます。適切に対応していく考えでございます。  私からは最後になりますけれども、聴覚障害者のスポーツやレクリエーションなどへの参加を促す取り組みについてのお尋ねにお答えします。  聴覚に障害があっても、障害がない方と一緒にできるスポーツやレクリエーションは、障害のある方が余暇を楽しみ、生活を豊かにするだけではなく、障害理解の機会としても重要です。したがいまして、競技種目の案内や参加意欲を促すなど、参加に向けた取り組みをさらに促進していく必要があると考えます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 高齢者担当部長。       〔高齢者担当部長(田中 哲)登壇〕 ◎高齢者担当部長(田中哲) 私からは、高齢者実態調査に関する御質問にお答えいたします。  まず、調査の目的と対象者等についてのお尋ねですが、この調査は、保健福祉計画及び第7期介護保険事業計画の策定や、今後の高齢者施策検討のための基礎資料とすることを目的とし、要支援、要介護認定を受けていない方、要支援認定の方、そして施設サービス受給者を除く要介護認定者を対象に実施いたしました。高齢者の生活実態や介護保険サービスの利用実態、制度改正により始まった新たなサービスの利用や介護者の仕事の状況などの設問を通して、ニーズを把握する観点から実施しているものでございます。  次に、調査結果から見える傾向についてのお尋ねにお答えします。  地域的には、ひとり暮らしの方と居住形態が賃貸マンションやアパートの方は井草地域あるいは高円寺地域に多く、近所と毎日おつき合いのある方は高円寺地域に多いといったような特徴がございました。また、年齢が高くなるほど通院頻度や服薬の種類などがふえ、悩みやストレスの原因が自分の健康や病気についてである割合が多くなる傾向にあります。そうした実態や傾向を地域や年齢ごとに分析した結果については、紙面上の制約がありますので、報告書を区公式ホームページに掲載する際には、調査結果のデータを閲覧できるよう検討してまいります。  次に、高齢者の働く意欲が増加している要因でございますが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律により高年齢者の継続雇用制度が導入されたことや、元気な高齢者の方がふえていることなどが要因と考えております。  また、シルバー人材センターの就業率は、平成28年度は70.9%と、2年前よりは微増ですが、順位は2年前と変わらず、23区中20位でございます。  次に、高齢者の生きがいを高める施策についての御質問にお答えいたします。  高齢になっても生き生きとした生活を送るためには、家庭や地域で何らかの役割を持って活動することが必要です。これまでも区では、健康増進を図る事業や学習機会を提供する杉の樹大学、いきいきクラブの活動支援、ゆうゆう館を活用した自主的な活動の推進、就労、起業、ボランティア活動など、生きがい活動の支援や社会参加を促進する施策を行っております。今年度からは、就労意欲に応えるために、保育や高齢者福祉施設における就労に向けた取り組みを新たに実施してまいります。  私からの最後ですが、家族のみで介護を行う方への慰労や支援の制度についてお答えいたします。  さまざまな御事情や御意向で、介護保険サービスを受けずに介護をされる御家族の方につきましては、大変な御苦労かと存じます。そうした御家族を慰労する制度といたしましては、要介護4または5の認定を受けた方を、介護保険サービスを使わずに1年間在宅で介護している同居家族の方に10万円の慰労金を支給する家族慰労金という制度がございます。  また、御家族への支援策といたしましては、介護者の休息や心理的な負担の軽減、孤立感の解消などを目的として、「ほっと一息、介護者ヘルプ」事業や認知症高齢者家族安らぎ支援事業、家族会、家族介護教室など、さまざまな支援を行っているところでございます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) オリンピックパラリンピック連携推進担当部長。       〔オリンピックパラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞)登壇〕 ◎オリンピックパラリンピック連携推進担当部長(安藤利貞) 私からは、オリンピックパラリンピックに向けて杉並区の取り組みのお尋ねのうち、所管に関するものについてお答えいたします。  初めに、東京2020大会でのボランティアに関する御質問にお答えいたします。  オリンピックパラリンピックのボランティアには、直接大会に運営参加できる大会ボランティアと、区内外からの旅行者への案内等を行う都市ボランティアがございます。どちらも大会を盛り上げる一翼を担うもので、世界中の人々に日本の魅力を発信する人材を求めているものでございます。
     運営主体は組織委員会と東京都とそれぞれございますが、昨年12月に発行されました東京2020大会に向けたボランティア戦略では、どちらも2020年4月1日時点で日本国籍または日本に滞在する資格を有する満18歳以上の方を対象としてございます。また、活動につきましては、大会ボランティアが10日以上、都市ボランティアが5日以上可能とする条件がございます。  なお、英語力に関する記載はございませんが、東京都観光ボランティアの例から、英検2級以上が目安になるものと考えてございます。  今後は、2018年夏ごろから募集を開始し、書類選考や面接などを行うため、区は、大会でのボランティア活動を希望する区民への周知に努めてまいりたいと思っております。  一方、杉並区では昨年度から外国人おもてなし語学ボランティア講座を実施し、外国の方とのコミュニケーションがとれる区民の発掘に努めてまいりました。今後は、こうした講座を活用して、区内でボランティアを希望する区民の育成と活用について、調査研究に努めてまいる所存でございます。  次に、区内における外国人旅行者とのコミュニケーションについての御質問にお答えいたします。  2020年東京大会では、大会に出場する各国の代表団や選手を応援する観光客など、日本を訪れる多くの旅行者に対し、日本が持つ固有の文化や伝統の魅力、さらには日本人のおもてなしの心を伝えることができる絶好の機会でございます。区は、こうした外国人旅行者が杉並区にも訪れ、区が持つ魅力を要所要所で感じ取れるよう、駅前の案内図の多言語化や、文化に特化した英語版ブックレットの作成などに取り組んでいるところでございます。  議員の御指摘にもございますが、英語などの外国語を話せない区民と外国人とのコミュニケーションについては、外国人旅行者向けの外国語表記ガイド等、さまざまな媒体によりコミュニケーションをとることができるような手法を、今後、関係部署と連携を図りながら研究してまいりたいと存じます。  私からは最後になりますが、区民の機運醸成を図る取り組みについての御質問にお答えいたします。  2020年東京大会に向けて、区は、できるだけ多くの区民がスポーツや文化イベント等に参加する機会を設け、オリンピックパラリンピック大会の理念とすばらしさを伝えてまいりたいと考えております。区では、先日の東京2020フラッグツアー歓迎セレモニーに合わせて、オリンピックパラリンピックをテーマとするイベントを開催し、空手やチアリーディングを披露して、多くの区民の方に楽しんでいただきました。こうしたイベントへの参加者をふやしていくためにも、若い世代の方が多く支持する、2020年新たに対象となる競技について、区の既存施設での競技紹介や教室を提供するなど、多くの区民に新しい体験をしていただくことは、機運醸成を図る手法の1つと考えております。  区では、2020年に向け、地域や関係団体の協力もいただきながら、オリンピックパラリンピックをテーマとする取り組みを各地域で行うことで、区民の大会開催への期待を高めてまいる所存でございます。  私から以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 杉並保健所長。       〔杉並保健所長(向山晴子)登壇〕 ◎杉並保健所長(向山晴子) 私からは、オリンピックパラリンピックに向けた感染症対策についてお答えいたします。  現在、東京都において、オリンピックパラリンピックに向けた感染症対策の検討が進行していると聞いております。区では、海外から持ち込まれます感染症、すなわち輸入感染症対策については、広域的連携が不可欠なことから、都の方針やマニュアルに沿って情報収集を的確に行い、感染症が発生した際には、療養支援や感染拡大防止に取り組みます。オリンピックパラリンピックの開催時には、海外の感染症の流行状況に関して、国や都、国立感染症研究所などの知見を活用し、積極的な情報収集のもとに、区民に対して普及啓発や必要な相談に努めてまいります。  私から以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、オリンピックパラリンピックに向けての杉並区の取り組みに関する御質問のうち、所管事項にお答えいたします。  初めに、テロに対して、区民みずからの安全をいかに確保するかについてのお尋ねですが、御質問の中にもありましたとおり、テロの形態はさまざまであり、対応もさまざまでございます。その中で、テロが発生した場合には、正しい情報を取得し、冷静かつ速やかな避難行動をとることが最も大切です。区からは、防災行政無線を通じて緊急連絡を行うとともに、災害・防災メール、区公式ホームページなどから情報発信を行います。また、デマによる混乱も危惧されますので、公式の情報入手について、みずからも工夫をお願いいたします。さらに、外出先でテロ等に遭遇することも予想されますので、安全な建物や帰宅経路の確認を行うなども、身を守る大切な行動となります。  次に、区民に向けての訓練についてのお尋ねですが、避難等に伴う訓練は地震災害と同様となりますので、地域で行われております防災訓練等に積極的に参加をいただき、自助・共助の取り組みを高めていただくことが大切と考えております。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 教育企画担当部長。       〔教育企画担当部長(白石高士)登壇〕 ◎教育企画担当部長(白石高士) 私からは、教育に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、小中学校における障害理解を深める取り組みに関するお尋ねでございますが、子供たちが聴覚障害などのさまざまな障害に対する理解を深め、互いに個性を尊重し合いながら生活することの大切さを学ぶことの意義は大きいものと考えております。こうした教育活動は、御指摘のとおり、体験的に学んでいくことが効果的でありますので、各学校では、通常の学級と特別支援学校等との交流及び共同学習を実施するほか、歌を手話で表現したり、点字を使って文書を作成したりする学習活動を行っております。また、オリンピックパラリンピック教育の一環として、ゴールボールやボッチャ等の障害者スポーツの体験にも力を入れてきております。  教育委員会といたしましては、今後とも、このような体験的な学びを通して、子供たちが障害の有無にかかわらず、一人一人の人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の担い手として成長することができるよう、各学校の実情に応じた取り組みを支援してまいりたいと存じます。  次に、英語を使った教育活動に関するお尋ねでございますが、御指摘の日本や東京の歴史、文化等を英語で伝えられる学習につきましては、各学校において、日ごろの外国語活動に加え、平成27年度に東京都教育委員会が作成した「Welcome to Tokyo」という教材を活用して、適宜行っております。さらに本区としましても、この間、中学生海外留学事業に参加した生徒が、現地で杉並区を紹介するためにつくった資料を生かして、杉並区の自然や歴史、文化を英語で伝えるための教材を新たに作成し、次年度以降、各学校で活用することができるよう準備を進めているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後とも、東京2020オリンピックパラリンピック競技大会の開催も視野に、これらの英語を使った教育活動に力を入れてまいりたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 9番小林ゆみ議員。       〔9番(小林ゆみ議員)登壇〕 ◆9番(小林ゆみ議員) 1つだけ再質問いたします。  私が行った質問の一番最後の、テロに対する区民の方々の訓練のことで答弁いただきまして、ありがとうございます。ちょっと具体的にわからなかったので教えてほしいんですけれども、地域で行う防災訓練などにおいて、自助・共助の観点で行うというような御答弁だったかなと思うんですが、具体的にやるのかやらないのか、区として推進できるのか、区の立場がよくわからなかったので、ちょっと確認をしたいと思います。  終わります。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 再度の御質問にお答えいたします。  御質問の中で、ミサイル攻撃であるとか、あるいはオリンピック会場におけるテロについて例示をされ、御質問をいただきました。  議員の御質問の中でありましたとおり、テロの形態というのはさまざまでございまして、例えばミサイル攻撃であるとか、あるいは爆発物を仕掛けるであるとか、その他、近ごろあるところでいくと、多くの人が集まるところに車が飛び込んでくるというような事態等がございます。そういったさまざまな形態に伴いまして、対処の仕方も大きく変わってまいります。特にNBC等によるテロということであれば、広域な避難が必要になってくる場合も想定されます。そういったような場合であれば、御答弁申し上げましたとおり、大規模な避難というものを想定しなければなりません。そうでない場合については、一時的な避難ということでの対処が可能になる場合等もありますので、一概に申し上げることはできませんが、大規模避難等、区民にとって重大な事案等については、申し上げましたとおり、震災訓練等で行っております避難等に準じた形での避難を行うことになりますので、そのようなことで御答弁を申し上げたところです。いずれにいたしましても、その事態に即しまして、区民の安全・安心を守るよう努力してまいります。 ○議長(富本卓議員) 以上で小林ゆみ議員の一般質問を終わります。  6番松尾ゆり議員。       〔6番(松尾ゆり議員)登壇〕 ◆6番(松尾ゆり議員) 一般質問をいたします。  最初に、高円寺小中一貫校について質問します。  学校の建設事業を請け負っている白石建設等共同事業体4社が、住民の抗議行動を妨害と決めつけ、仮処分を申し立てました。新聞、テレビにも大きく取り上げられ、言論の自由、表現の自由を制限する動きとして危惧が示されています。  この訴訟の背景には、建設計画に対する住民の真っ当な問題意識を区が全く顧みず、強引に計画を進めてきたことがあります。その結果、白石建設らが困り果てて訴訟に及んだのだとすれば、区は事業者から解決能力がないと見られているということでもあり、こうした訴訟を起こされたこと自体が杉並区自身の失態であり、恥と言わなければなりません。  そこで、まずお聞きしますが、区担当者は、この訴訟について事前に報告を受けていたでしょうか。そして、報告を受けていたのであれば、なぜ区はそれをとめようとしなかったのか、お答えください。  また、本件は、真っ当な民事訴訟とは言えない、いわゆるスラップ訴訟と呼ばれる類いのものです。  ここで、耳なれないスラップ訴訟について簡単に御説明をします。スラップとは、直訳すると、公的言論に対する戦略的訴訟行為、わかりやすく言うと、住民や報道機関の発言が気に入らないからと、恫喝、嫌がらせの目的で行われるものです。言論の自由、表現の自由を阻害する訴訟行為とも言えます。  この問題に詳しいジャーナリストの烏賀陽弘道さんの著書「スラップ訴訟とは何か」によれば、スラップの特徴は、1、民事裁判であること。2、公的な意見表明をきっかけに提訴される。3、提訴によって相手に裁判のコストを負わせ、苦痛を与える。4、提訴者は、不法状態を裁判で解決するとか裁判で真実を解明するなどの訴訟本来の機能を必ずしも目的としていない。5、提訴により受ける苦痛のために被告は公的な発言をためらうようになる。こうした見せしめにより、他の批判者の発言をも封じることができるなどです。これらは今回の訴訟に全くぴったりで、住民から烏賀陽さんに問い合わせをしたところ、本件は典型的なスラップ訴訟というお返事が返ってきました。  民事訴訟のハードルは低く、その訴えが虚偽であれ、一見して不当なものであれ、訴えを起こし、裁判を受ける権利が保障されています。他方、訴えられた人は、訴えられた精神的なショック、弁護士を探したり書面を作成したりする時間的な負担、それらに伴う決して少なくない金銭的負担など、ダメージを自動的に受けることになり、しかも拒否することができません。  こうしたスラップ訴訟が近年頻発するようになり、アメリカではいち早くスラップの概念を確立し、裁判制度の盲点をついた民事訴訟の悪用、かつ裁判所という公的資源の無駄遣いであるという観点から、事前審査や、スラップを起こした者に対するペナルティーなどの制度が確立しています。仮に日本に同様の制度があれば、本件もスラップに認定され、訴訟を起こした白石建設らはペナルティーを科されているところでしょう。  区はこうしたスラップ訴訟というものを認識しているか。また、本件スラップ訴訟についての見解を伺います。  また、杉並区及び他自治体において、公共事業の請負業者が住民を訴えた前例は果たしてあるでしょうか。あるのであれば例示してください。  さて、訴えられた住民の皆さんは、厚さ10センチにも及ぼうかという分厚い訴状を受け取って仰天しました。そこには、撮られた覚えのない自分の姿が映っており、しかも一人一人名前が特定されていたからです。つまり、添付された多数の写真は、全て了解なしの隠し撮り写真、動画でした。これは肖像権の侵害ではないでしょうか、区の見解を伺います。また、撮影された写真、動画は、求めがあれば当然にも当事者に開示すべきであり、区はそのように指導すべきと考えますが、いかがか伺います。  事業者にはわからないはずの個人の姓名が特定されていたことも驚きで、区が個人情報を漏えいしたとしか考えられません。隠し撮り写真の中には、昨年12月17日の区主催住民説明会において、説明者席から撮ったことが明らかにわかるものが多数あります。  議長、ここで資料を提示いたします。 ○議長(富本卓議員) はい。 ◆6番(松尾ゆり議員) この写真です。ちなみに、この写真は私が目隠しをしましたけれども、裁判所に出された現物は、顔が明らかに映っております。  例えば、この写真は明らかに説明者席の背後から撮ったものです。机が映っています。こちらは説明員の方ですね。区は、この写真あるいは動画の撮影を知っていたのでしょうか。また、隠し撮りに加担していたのでしょうか。当日、この背後の位置には区職員が着席していましたが、撮影者は区職員なのでしょうか、お答えください。  白石建設らの提出した書面には、多くの虚偽が述べられています。中でも、2月3日、白石建設幹部が自作自演で倒れ、警察に被害届を出した事件は、前にも述べましたが、人権侵害に当たり、極めて悪質な行為です。この件について、区の他部署の管理職の方が、建設会社の人が住民に押し倒されたと話しているのを聞いてびっくりしました。教育委員会や営繕の担当者は、押し倒されたとする事業者の一方的な言い分を区役所内にも広め、人権侵害に加担しているのでしょうか、お答えください。  そういえば、昨年8月には、ボーリング調査に抗議する住民を前に、教育委員会職員が、さわられてすらいないのに、痛い痛いと携帯に向かって叫ぶという自作自演の未遂がありました。このような職員がこの工事を担当しているために、事業者も平気で架空の暴行事件をでっち上げるというのは考え過ぎでしょうか。  さて、本件訴訟により、白石建設らは近隣住民に対して敵対的な立場となりました。東京都及び区の中高層建築紛争予防条例には、「建築主は、紛争を未然に防止するため、」中略「良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。」とあります。さらに区の条例には、「工事施工者等は、」「紛争の防止及び紛争の解決のため、協力しなければならない。」とあります。本件訴訟行為及びそこで行っている住民に対する誹謗中傷により工事業者が良好な近隣関係を損なっていることは、条例違反であると考えますが、いかがか。  また、さきに述べたように、一番最初の説明会の段階から住民を敵視し、一貫して写真の隠し撮りを行い、また、訴訟での虚偽の申告、そしてきわめつけは虚偽の暴行被害届、こうした反社会的で反人権的な行為、主張を行っている事業者に、このまま公共事業を担わせることはできないと考えますが、区の考えはいかがか、伺います。  次に、訴訟の前に行われた監視カメラの取りつけについて伺います。  4月24日、白石建設は、高円寺中西門にある学校防犯カメラの真下に、新しく別のカメラを取りつけました。ちなみに、このカメラをネットで検索したところ、録音もできる機種であるとわかりました。区は盗難防止のためなどと言いますが、カメラは工事区域内ではなくて公道を撮影しております。また、その後の訴訟を踏まえると、抗議する住民の言動を監視、記録することが目的だったことは疑いようがありません。  杉並区の防犯カメラ条例では、公共の場所にカメラを取りつけようとする場合、届け出義務が課されています。本件では届け出をしていないということであり、条例違反ではないでしょうか。区は、白石建設は条例に該当しないとの解釈も示していますが、だとすれば、発注者である区が届け出義務者であり、同様に条例違反ではないでしょうか。  この項の最後に、構造設計について伺います。  この点は、住民の指摘を受けて、区議会でもかなり突っ込んだ議論がされてきました。さきに行われた予算特別委員会では、他の議員の質問に対して、くい工法の変更で対応しているというような答弁がありました。しかし、住民が調査したところ、くい工法の変更の一方で、くいの本数が減らされていることが判明しました。支持力が上がっているとは言い切れません。また、構造の専門家に依頼して分析していただいたところ、新しいMRXX工法でも必ずしも安全性が上がったとは言えないこと。逆に、くい先端からさらに2.5メートル深く掘るために、支持層を掘り抜いてしまいかねない危険性があること。そして地質については、想定支持層の厚みが敷地内で均一ではなく、特に建物の南東部では期待する支持力が得られない可能性もあり、くい先端をさらに8メートルから9メートル深い層に置くことを推奨されています。  これらの指摘に応え、基礎工事に入る前にボーリング調査の追加が必要と思われますが、いかがか、見解を伺います。  次に、杉一小改築と阿佐谷のまちづくりについて伺います。  まず前提として、区が定めたB案を実施するために、都市計画等のどのような制度を適用するのか、またそれを決定する機関はどこか、決定の時期、スケジュールについての説明を求めます。特に、けやき屋敷の森、貴重な樹木の保全についてはどのように計画をしていくのでしょうか。  また、この計画においては、土地区画整理事業を導入していくという説明がありましたが、そもそも土地区画整理事業とはどういうものでしょうか。その設定の要件は何か。また、本事業においてどのような公益が得られるかを御説明ください。  次に、B案における河北病院建設予定地の敷地面積はどのぐらいでしょうか、数字でお示しください。説明会では、河北病院は延べ床面積約3万2,000平米が必要とのことでしたが、けやき屋敷は現在容積率が200%であり、地図上の目測では、容積率が不足するように思えます。けやき屋敷部分は、容積率の引き上げあるいは用途地域の変更を想定していると考えていいのでしょうか。  そもそも、河北病院の移転が発端で急転直下方針変更となったことは、同病院に容積率を与えることが目的ではないかという疑いが拭えません。  区の方針では、3つの大規模敷地の解体・建設、敷地の整序を一体的に行うとされていますが、敷地整序型土地区画整理事業とは、本来、敷地が細分化され、低未利用地が点在している区画を整え、土地の有効利用を図ること、つまり、敷地の整序に重点があります。B案とは趣旨が異なります。また、道路、公園などの公共施設が得られることが必要ですが、B案では、新しく生み出される公共施設は北側道路の拡張のみと考えられます。  次に、都市計画の専門家の指摘によれば、この計画において予定されている杉一小敷地と河北病院敷地の交換は、照応の原則に反するとのことです。照応の原則とは、交換される両者の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が大きく変わらないということです。単に土地の評価額が同等であればいいというものではありません。しかし、河北病院の土地は旧桃園川に接し、ハザードマップでも浸水地域とされています。また、病院の土地は汚染地であると考えるのが適当であり、この土地と杉一小の普通地は照応せず、土地区画整理法に反するとの指摘です。言うなれば区が損をする計画と言えますが、いかがか、区の見解を求めます。  計画策定に至る住民参加についても問題があります。杉一小改築のA案は、施設再編整備計画で複合施設として俎上に上ってからつい昨年まで、区と地域、学校関係者で数年の議論の経過を経てきたものです。学校関係者にとっては、複合施設、屋上校庭といった区の案を決して歓迎はできないが、とにかく老朽化している杉一を建てかえるためにと、我慢と妥協を重ねて受け入れてきたのが本音とおっしゃっていました。  杉一小の改築懇談会では、例えば、オリンピック後に建てかえたほうが経費が安く済むのではという意見に対して、担当部長が次のように述べています。「たしかに4年前に耐震補強していますが、」中略「だからといって老朽化が止まっているわけではありませんので、それについては早く改築したい」。また、河北病院の計画や都市計画を踏まえたほうがよいのではという意見に対しても、「区としては杉並第一小学校をそれとは別個に先行して改築をやっていきたい」と明確に否定をしています。  ところが、これらの区の見解が180度転換したわけです。説明会では、とにかく老朽化しているので危ない、急ぐと言われてきたのに、突然11年も先に延びてしまっていいのかという批判の声が上がりました。先ほど述べた土地交換への疑問もあります。この際、民間の動きと杉一小の建てかえとは一旦切り離して考えるべきではないでしょうか、見解を伺います。  学校のことだけでなく、阿佐ケ谷駅北東地区を今後どうしていくのかは、地権者はもちろんのこと、近隣住民らに広く意見を求めた上で、納得できる計画を策定する必要があります。本件の対象地区は阿佐ケ谷駅前で、杉並の顔とも言える極めて公共性の高い場所であり、一般の住宅地とはわけが違います。病院も公益性の高い施設です。権利者間の利害調整だけで済ませてはいけない場所です。  区は、阿佐ヶ谷駅北東区域のまちづくりを考える会という民間団体からのまちづくり提案があったということも述べていますが、その内容については全く公表されていません。提案の概要について説明を求めます。  こうした特定の住民の提案のみを住民の意見として扱うのではなく、まちづくり協議会など公的な仕組みをつくり、もう少し時間をかけて当該地区のまちづくり方針を検討していくべきと考えますが、いかがか、この項の最後に見解を伺います。  最後に、保育について伺います。  まず、昨年度の保育緊急事態宣言の総括について伺います。  区は先日、待機児童が29名になったと発表しました。昨年つくられたトラテープのチラシには、大きな文字で「杉並区は待機児童ゼロを達成します!」と記載してありましたが、この宣言はほごになったわけです。しかし、この総括文書では、ゼロにできなかったことには一切触れず、「危機的状況の回避につながった」と自画自賛するのみです。また、その根拠として、第二弾の緊急対策をしなければ、520名の待機児童が発生していたことがわかったとしています。  これがちょっと不思議なのでお聞きしたいのですが、そもそも緊急事態宣言の根拠として、待機児童数が一気に565名までふえるという予測があり、私は過大な予測ではないかと思っていたんですけれども、実際の需要増は予測を220名も下回っており、それに対して、520名の待機児童のおそれがあったという相変わらずの表現は、つじつまが合いません。  そこで、昨年発表された予測数字565名はどのように計算されたのか。また、需要数予測の歳児別及び総数を、次に、総括に書かれた520名の根拠、需要数実績の歳児別及び総数を御説明ください。  次に、区が達成しますと大見えを切ったにもかかわらず、待機児童ゼロを達成できなかった理由は何か。また、宣言したことができなかったわけですから、率直な反省を求めます。お答えください。  区は最近、達成できなかった理由として、地域偏在を挙げるようになりましたが、このことは、私や他の議員、地域の人たちが既に何度となく指摘をしてきたことです。しかし、区は、保育園には学区がないからどこからでも通えると聞き入れず、数字合わせのみに終始し、この結果に至ったというわけです。  さて、国は、来年度から待機児童のカウントをより厳しく変更します。既に今年度から新しい定義を使用している自治体もありますが、ことしの待機児童数は、国の新しい定義による計算では何名になるのか、お答えください。  次に、上井草保育園の民営化について伺います。  昨年末から始まったプロポーザル選定委員会では、60%の評価を得た事業者は1つもなく、選定に至らずと発表されました。先日の総務財政委員会で、その後一体どうなるのかと尋ねたところ、検討中との答弁を得ました。ところが、その直後に、上井草保育園の保護者に対しては、新たな保護者委員を選出してほしいとの文書が配布されました。まず、この点について伺います。  プロポーザル選定委員会条例には、「委員の任期は、」「指定管理者候補者等の選定を完了した日まで」とあります。現状、事業者を選定できていないのですから、これまでの委員で再度の募集手続に入らなければならないのではないでしょうか。また、区が委員会は一旦終了したと判断しているなら、その根拠は何なのか、お答えください。  また、選定委員会の結論を出す最終の委員会の直前に、区の担当者から委員会の会長に対して、評価に対してばらつきが大きく、委員会で意識合わせをしてはどうかとの働きかけがあったと聞きます。これは事実でしょうか。事実なら、点数に手心を加えることを求め、公平な評価をねじ曲げようとする違法行為と考えますが、いかがか、見解を求めます。  この保護者への通知と同時に、区は再公募を始めました。しかし、区が言うように、新たな選定委員の選出が必要な状態であれば、逆に委員会は存在していないわけです。選定委員会によらず、行政サイドだけの判断で新たな募集を始めたことは条例違反と考えるが、いかがか、お答えください。  また、新たな保護者委員の選定において、人数がこれまでの4人から2人に減らされたことの理由は何でしょうか。保護者委員を4名置いたことが失敗だったと考えているのか、説明を求めます。  選定委員選出の期間が10日間しかなかったことも問題です。できないことを承知で無理難題を吹っかけているとしか思えません。結局、保護者間の話し合いの時間がとれずに期限切れとなったと伺いましたが、改めて適切な期間を設けて保護者委員を必ず選出すべきと考えますが、いかがか、お答えください。
     しかも、保護者に配られたこの手紙には、万が一期日に間に合わない場合は、保護者委員抜きで選定を進める旨の文言がありました。これは、保護者に対する脅しです。結局のところ、保護者の意見を聞く気はないという宣言です。保護者は区に対する不信感を増幅させています。  さらに、選定が不調の結果に終わったことにより、民営化のスケジュールが極めてタイトになっています。それなのに、区は園舎建設、引き継ぎ、民営化のスケジュールを全く変更しておらず、不当です。公募開始時期が既に3カ月半おくれています。民営化の時期を繰り延べることは当然のことと考えますが、いかがか、見解を伺います。  さて、本日は、3つの課題について、区と住民のコミュニケーションを問題にしようと思って準備をしてまいりました。しかし、調べていくに従って、区のやっていることが単なる説明不足とか住民無視とかではなく、法や条例に反する、あるいは法規範を逸脱するようなことだと何度も指摘せざるを得ませんでした。情けないことです。  議員の皆さん、区民の皆さん、杉並区役所では、今一部の職員により、遵法精神すら疑われるような発言、行為が生じております。住民に対する隠し撮りを、必要だったと本会議で平然と言い放つ、こんな状況は改めなくてはならない。それは、工事に対する賛成や反対、あるいは政治的な立場を問わないモラルの問題です。区政を真っ当な道に引き戻さなくてはならないと皆さんに訴えます。  また、職員の皆さん、皆さんは誰かの子分とか家来ではなくて、全体の奉仕者、自治の担い手です。行政マンのプライドを持ち、公平公正、民主的に職務を全うしていただきたいと切にお願いして、私の質問といたします。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 私からは、高円寺小中一貫校の建設工事に関する一連の御質問にお答えをいたします。  まず、工事業者による仮処分の申し立てについては、事前には区は承知しておりませんでした。工事業者が、一部住民の妨害行為に対して、法的措置が必要であると判断して行ったものと考えてございます。  なお、公共事業の請負業者が住民を訴えた前例につきましては、本区ではないものと認識しております。他自治体の例については、把握をしておりません。  次に、申し立ての証拠として添付された写真についてのお尋ねですが、当該資料は、工事業者として記録の必要があるとの判断から撮影されたものと認識してございます。当事者への開示を指導する考えはございません。  また、説明会で工事業者が撮影した写真につきましては、説明会が冒頭から騒然とした状況となり、区は、実際にどのように撮影されたかについては把握をしておりません。  次に、2月3日に工事業者の職員が被害届を出した件についてでございますが、本件について、区職員が話を広めたという事実はございません。  また、当該事業者が中高層建築物の紛争予防条例違反や反社会的な行為を行った事実はございませんので、工事請負契約を解除する理由はございません。  私からの最後に、くいの設計とボーリング調査に関する御質問にお答えいたします。  くいの設計や工法については、第三者機関による構造計算の審査を経た上で東京都による建築確認を受けており、安全性が確認されております。ボーリング調査を追加する必要はないものと考えてございます。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) 危機管理室長。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 私からは、防犯カメラの設置に伴う区への届け出に関するお尋ねにお答えいたします。  杉並区防犯カメラの設置及び利用に関する条例及び条例施行規則に、届け出義務がある防犯カメラの設置者について定めております。御指摘の工事の請負業者には届け出義務がなく、設置者でない区にも届け出義務がないので、条例違反には当たらないものと認識しております。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(松平健輔)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(松平健輔) 私からは、杉並第一小学校等施設整備等周辺のまちづくりに関する一連のお尋ねのうち、所管事項についてお答えいたします。  まず、杉並第一小学校等施設整備等方針において活用する都市計画手法については、区が決定する地区計画や東京都が決定する用途地域の変更などを想定しており、今後、地域住民等との意見交換を行うとともに、東京都との協議など、所定の手続を経て決定していく考えでございます。  次に、病院移転用地についてのお尋ねでございますが、病院の移転改築に伴う緑の保全は重要な課題と認識しており、病院及び地権者と締結する協定においてその方針を明確に位置づけるとともに、区といたしましても、容積率の緩和や地区計画制度などの活用により、けやき屋敷の緑を将来にわたって可能な限り保全し、周辺環境との調和などを図ってまいります。  なお、病院移転用地の敷地面積については、整備方針でお示ししたイメージでは1万平米を超える規模を想定しており、詳細は、今後測量等を踏まえ、精査していく考えでございます。  次に、土地区画整理事業についてのお尋ねでございますが、土地区画整理事業は、土地区画整理法に基づき、地権者が土地を提供し、道路等の整備改善を図りつつ、従前の土地に応じた土地の再配置により宅地の利用増進を図る事業でございます。今般の整備方針では、区、地権者、病院による個人共同施行の土地区画整理事業を想定しており、これにより、小学校の将来に向けた教育環境の向上や、道路の拡幅整備などによる地域の防災性、安全性の向上が図られるなど、公共の福祉の増進につながるものと考えてございます。今後、施工者において、調査、測量等を経て、関係法令に適合するよう事業計画や換地計画などを策定するものと認識してございます。  次に、まちづくり団体からの提案についてのお尋ねでございますが、阿佐ケ谷駅北東地区では、地域のまちづくり団体が約2年にわたりまちづくりについて検討を行っており、今般の区の整備方針の決定を受け、まちの将来像や、今後の区による地区計画の策定などの取り組みへの期待などをまちづくり構想として取りまとめ、区に提案いただいたところでございます。  私からの最後に、まちづくりに関する方針や計画の策定の進め方についてのお尋ねでございますが、区ではこれまでも、阿佐ヶ谷駅等周辺まちづくり方針や杉並第一小学校等施設整備等方針について、説明会やオープンハウスなどを開催し、地域の御意見を伺いながら検討や策定を行ってまいりました。今後、阿佐ケ谷駅北東地区のまちづくり計画や地区計画などの策定に当たりましても、地域住民等との意見交換などを密に行いながら取り組みを進めてまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 施設再編・整備担当部長。       〔施設再編・整備担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎施設再編・整備担当部長(大塚敏之) 私からは、小学校の改築と病院の移転は切り離して考えるべきではないかとのお尋ねにお答えします。  病院や区立施設の建てかえ、それに伴う道路基盤整備などは、地域の将来を大きく左右することから、地域のまちづくりにとってどのような形が最善であるか、将来を見据えて検討を重ねてまいりました。その結果、将来にわたる教育環境の向上、首都直下地震の切迫性を踏まえた地域の防災性の向上、土地利用の見直しによりにぎわいの創出を図ることができることなど総合的に考慮し、全体最適、長期最適の観点から、B案を整備方針とすることとしたものです。  なお、B案に基づく施設整備に当たりましては、A案における基本構想、基本計画について、可能な限り継承してまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 子ども家庭担当部長。       〔子ども家庭担当部長(鈴木雄一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(鈴木雄一) 私からは、保育に関する一連の御質問にお答えします。  まず、待機児童解消緊急対策の第二弾を行わなかった場合の待機児童数の予測と実績に関する御質問にお答えします。  昨年度、緊急対策第二弾を行わなかった場合の待機児童数の計算ですが、まず、平成29年4月の入園に向けた申し込みの需要数として、区内の就学前児童人口や在籍数、申込者数の実績等の状況から算出して予測しております。その需要数から、平成28年4月1日現在の認可保育所、認証保育所などの定員数等に28年度の当初計画及び緊急対策第一弾で計画した定員の合計を差し引きますと、保育需要の予測数が、ゼロ歳児で52名、1歳児で307名、2歳児で107名、3歳児で99名が不足し、合計で565名の待機児童数が発生することが見込まれたものです。  次に、平成29年4月1日の状況を踏まえた待機児童数に関する計算ですが、29年3月末の在籍者数に新規申込者数を加えた保育需要数から、緊急対策第二弾を実施しなかった場合の29年4月1日の定員等を差し引きます。その結果、定員等を超える保育需要数が、ゼロ歳児で129名、1歳児で352名、2歳児で38名となり、合計で519名の待機児童数が発生していたことが明らかになっております。  次に、待機児童に関する一連の御質問にお答えします。  当初の計画数を上回る定員等を確保できたものの、待機児童の解消に至らなかったことについては、大変重く受けとめております。解消できなかった主な理由としては、28年度、高円寺や方南・和泉地域などで認可保育所を十分に整備できなかったことであると考えております。  次に、3月31日に待機児童の新たな国定義が示されましたが、区は既に4月入所の利用決定等をしており、申し込み手続の中で育児休業中の方の復職の意思確認ができていないため、新たな定義による待機児童数をお示しすることができません。  次に、上井草保育園の民営化に関するさきの整備運営事業者選定委員会に関する御質問にお答えします。  さきの選定委員会へ諮問した内容については、平成29年4月27日に審議を終えており、既に当該選定委員会は終了しております。  次に、会長との打ち合わせについてのお尋ねですが、選定委員会の事務局として、選定委員会を円滑に進めるための一般的な事前打ち合わせを行ったものです。  最後になりますが、上井草保育園整備運営事業者の再選定に関する御質問にお答えします。  現在行っている事業者の公募についてのお尋ねですが、選定委員会の設置前の公募実施は、条例に違反するものではございません。  次に、保護者選定委員の定数などのお尋ねですが、さきの選定委員会では、民営化公表から民営化開始までの期間が短いことから、保護者意見の取りまとめの負担軽減を考慮し、保護者の御要望に応え、特例的に4名としたところでございます。今回は、既に保護者の皆様の御意見を公募要項、審査基準に取り入れておりますので、通常の保護者選定委員の定数2名に戻したところです。  また、選定委員の選出期間については、さきの選定委員の選出に当たり、保護者の皆様に選定委員会の役割や審査内容を十分に御説明し、御理解いただいており、また、保護者4名が選定委員に委嘱された実績もあることから、適切であると考えております。  最後に、民営化の時期についてのお尋ねですが、引き継ぎ期間の確保や重度障害者通所施設の整備計画との関係もあり、平成30年4月の民営化開始の計画を変更する考えはございません。  以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 6番松尾ゆり議員。       〔6番(松尾ゆり議員)登壇〕 ◆6番(松尾ゆり議員) 再質問をさせていただきます。  まず、高円寺の件ですけれども、きのうも他の議員の質問に対して同じような答弁があったわけなんですけれども、要は、事業者が妨害というふうに思って訴えているということについて、区としては肯定的に受けとめているように聞こえるわけですよね。要は、区が住民は妨害者だと思っているから、事業者も妨害者だと思っちゃうんじゃないんでしょうかね。私は、住民は正当な異議申し立てをしている、そして主権者でもあり、それから費用を分担している担税者でもありますので、その人たちが公共事業に対して意見を言うのは当然の権利だと思います。  そして、実際やっている行動がどんな過激なことかと思えば、プラカードをこうやって掲げて、事業者が来たら、ちょっとやめてくださいよとお話をするという、大体平均70歳の方々ですので、頑強な、建設会社の方がいらっしゃったってとめようがないわけですね。それを妨害というふうに言っていること自体が非常に不当であって、ここのところの区の認識はどうなのか。妨害と思っているのか。あの人たちは妨害者だ、この事業の敵だというふうに思っているのかどうか、お伺いしたいと思います。  それから、質問の中で、前例があるのかと聞いたら、把握していないということなんですけれども、そういうことであれば前代未聞だというふうに申し上げたいと思います。質問の中でも、これは恥だというふうに言いましたけれども、区が住民に対して応対すべきところを事業者にやらせておいて、あげく事業者が住民を訴えるなんて、本当に恥ずかしいことだと思いますよ。これはちょっと意見として言っておきますね。  それから、その次、撮影の状況が混乱していてわからなかったというんですね。でも、この説明会は、区が主催した説明会ですよ。区が主催した説明会で、確かに一部混乱した状況があったのは私も見ていました。しかし、そういう中でも、何が起きているのかが把握されていないというのは、いかがなものなんでしょうか。それは主催者として問題があるんじゃないんですかね。そういった中で隠し撮りが行われていたということについては、やはり区に大きな責任がある。事業者が悪いですけれども、区に大きな責任があるんじゃないかなと思います。この点について見解を求めたいと思います。  それから、カメラのことなんですけれども、白石建設は義務者に相当しないと。それから、区は設置者じゃないから届け出る必要がないとなったら、じゃ、このカメラ、誰が責任を負うんですか。今外されているんですよね。外したのは何かって、やっぱりまずいから外したわけでしょう。そのように私は認識しましたけれども、いかがでしょうか、見解を求めます。  次に、阿佐谷のまちづくり等について伺います。  1つは、照応の原則ということなんですね。今回示されたB案というのが割とほわっとした案で、これをこうします、あっちをこうしますというような説明はあるんですけれども、どういった手続にのっとって、どういう法的な変更を行ったりとか、そういうことが行われ、誰が許可するのかとか、都なのか区なのか、そういったこともよくわからないので質問をしたわけで、それはまたこれからもいろいろお聞きしていきたいと思っているんですけれども、そういった手続の中に区画整理事業の照応の原則というものがあるということを、私は区内在住の専門家の方から教わりました。  それで、この2つの土地を見ると、照応しているとは言えないんじゃないかとおっしゃるわけですよ。先ほど、公益の点で、防災面での向上であるとか、学校の教育環境が向上するとか、いいことがあるんですよという御説明を伺って見ましたけれども、しかし、区画整理事業というのは、やはり個人の財産とか権利に影響してくることですので、そういうほわっとした、何となくよくなるんですよじゃなくて、これがとれるんですというのがなきゃいけないわけです。それが、私が言いましたように、北側道路、最近は杉一馬橋公園道路と呼ぶんですかね、私は実家があるけどそういう名称は聞いたことがないですが、そのように呼ぶようになった道路の拡幅が得られるということぐらいしか、はっきりとした数字上の公益というのが見えないということです。まして、学校が広くなるとか言うんですけれども、先ほど申しましたように、照応していない土地に持っていかれても、それは果たして環境がよくなることなのかなという疑問もあるわけです。  それらを踏まえてお聞きしたいのは、照応の原則というふうにいうルールがあるんだということと、このプランされている区画整理とがちょっと矛盾するんじゃないかなということをお聞きしたいと思います。  それとあわせて、先ほど用途地域の変更というような御発言がありました。この用途地域の変更というのは、どこの部分について想定をしていらっしゃるのか。杉一の土地について用途地域を変更して、容積率を上げるんだみたいな説明がありましたけれども、そこだけなんでしょうか。けやき屋敷の部分はどう考えていらっしゃるのでしょうか、お聞きをいたします。  最後に、保育園のことなんですけれども、まず、ちょっとお聞きしたことに答えていただけていないので。520名についての根拠というのが、私は、保育の需要数が実績でどうだったのかなということをお聞きしたいと思ったんですけれども、ちょっとそれは行き違いがあったのかもしれないので余り責めるつもりはありませんけれども、今出ないでしょうから、またこれは委員会のほうで詳しくやりたいと思いますけれども、こちらが問うたこととは違うということは指摘しておきたいと思いますので、520名の根拠もまだよくわかりません。  それから、待機児童ゼロということについて反省の弁はというふうに申しましたら、重たく受けとめていますということでした。きょう「広報すぎなみ」が配られまして、最初のほうが待機児童の特集なんですよね。私はそれを見て、肩のところに「すぎなみの保育、危機を回避。」というふうに書いてあったんですよ。ああ、これはすごい行政目線だなと思いました。私が今保活中のお母さんだったら、これを見て泣きますね。全体としてはそうかもしれないけれども、何で私が救われないのと、待機になった人は思うと思いますよ。ですから、改めて、待機児童ゼロにできなかったということについての反省の弁は、やはりもう一度いただきたいというふうに思います。  それからもう一つは、上井草の選定委員会の問題で、会長さんと事務局が打ち合わせをするのは当たり前なんですよというようなお返事がありました。私は保護者の方から聞いた文言なので、正確ではないかもしれないんですけれども、内容的には、要は選定の段階で点数が非常に低くなる可能性があるので、ここのところはちょっと事前調整をしたいという趣旨の申し入れが会長のほうにあったと、これはそのように聞いておりますので、事実だというふうに認識をしております。  以下、時間がなくなったので、保育の関係については、改めて委員会のほうでもやらせていただきたいと思います。  以上です。 ○議長(富本卓議員) 理事者の答弁を求めます。  政策経営部長。       〔政策経営部長(白垣 学)登壇〕 ◎政策経営部長(白垣学) 松尾議員の再度の御質問にお答えをいたします。  まず初めに、工事に対する住民の方々の行動に対して、区としてどのような見解を持っているのかというお尋ねがございました。  まず、これに対する今回の工事業者の対応については、工事の着工の見通しが立たない中で、やむにやまれぬ対応だったというふうに考えてございます。区としても、これまで、例えば仮設門の工事のときに、車両の前に立ちはだかられるなどの行為を受けていましたので、これについては、今回の事業者さんの見立てと同じような見解を持ってございます。  それから、こういう工事業者が地域の住民の方を訴えるというのは前代未聞のことで恥ずべきことではないかという御意見がございましたけれども、裏を返せば、これまで工事をめぐってこういう事案が発生していなかったということだというふうに認識してございます。  それから、説明会での撮影に関して、主催者として大きな責任があるのではないかというお尋ねがございました。  まず、この説明会については、区と工事事業者の共催による工事の内容の説明でございました。議員は、これについて区の責任があるのではないかというお尋ねなんですけれども、そもそもが、その前提として、業者の撮影が肖像権の侵害等の違法性があるんだという前提に立っているわけでございますけれども、区はこれについて法的見地から判断する立場にはございません。ですので、それを前提とした、違法だということを前提とした区の責任を問う質問にはお答えをしかねます。  私からは以上です。       〔発言する者あり〕 ○議長(富本卓議員) 危機管理室長。  不規則発言は慎んでください。       〔危機管理室長(寺嶋 実)登壇〕 ◎危機管理室長(寺嶋実) 防犯カメラに関する再度の御質問にお答えいたします。  カメラの責任者はということでお尋ねをいただきました。  御答弁申し上げたことの繰り返しになりますが、防犯カメラの設置及び利用に関する条例につきましては、その第3条で基本原則として、設置者に対して適正な措置を講ずるよう求めているものでございます。加えて、第4条におきまして、届け出の義務を定めているものでございます。答弁申し上げましたとおり、当該工事の請負業者には届け出義務を定めているものがございませんので、条例違反には当たらないということで御答弁を申し上げました。  私からは以上です。 ○議長(富本卓議員) まちづくり担当部長。       〔まちづくり担当部長(松平健輔)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(松平健輔) 私からは、阿佐ケ谷駅北東地区のまちづくりに関する再度の御質問にお答えいたします。  まず、いわゆる照応の原則に関することでございますが、照応の原則は土地区画整理法に記載されてございまして、判例等におきましては、位置、地積などの各要素を個別に見るだけでなく、これらの諸要素を総合的に勘案するものという考えに立っているものと承知してございます。いずれにいたしましても、今後、施行者において、調査、測量などを経まして、こうした原則も含め、関係法令に適合するよう事業計画や換地計画などを策定するものと認識してございます。  次に、用途地域の変更についてのお尋ねでございますけれども、整備方針におきましては、現在の杉並第一小学校の用地及びけやき屋敷を活用した病院の移転用地について、見直しを想定してございます。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 子ども家庭担当部長
          〔子ども家庭担当部長(鈴木雄一)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(鈴木雄一) 松尾議員の再度の御質問にお答えいたします。  待機児童解消ゼロについての反省ということでございますが、繰り返しの答弁になりますが、当初の計画を上回る定員等確保できましたけれども、待機児童の解消に至らなかったことについては、大変重たく受けとめているというところでございます。  今年度も認可保育園を核に整備を進めるなど、引き続き全庁挙げて精力的に取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。  私からは以上でございます。 ○議長(富本卓議員) 以上で松尾ゆり議員の一般質問を終わります。  以上で日程第1を終了いたします。  議事日程第3号は全て終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。                                午後2時53分散会...